練り上げ技法の陶芸家「八戸(やえ)窯」(佐賀市八戸2、TEL 0952-25-4781)の西岡孝子さんが4月30日、疫病退散の願いを込め、「アマビエ」をモチーフに製作したブローチとストラップの販売を始めた。(佐賀経済新聞)

 【写真】「アマビエ」模様を薄く切り取る製作の様子

 西岡さんは、ネスレ日本のテレビCM「違いが分かる男」シリーズにも出演した陶芸家の會田雄亮(あいだゆうすけ)さん(故人)に師事し、1994(平成6)年に開窯。全国でも数少ないという「練り上げ技法」の器を製作し、「九州山口陶磁器展」産業部門で佐賀県知事賞や読売新聞西部本社賞など多くの受賞歴を持つ。

 「練り上げ技法」は、白土に顔料を練り込んだ色土を作り、異なる色土をパズルのように重ねたり巻いたりして模様を作り、断面にできた模様を薄く切り、型に巻き付けたり、たたいたりして成形する技法。西岡さんは「作り方は、金太郎あめやアイスボックスクッキーと同じイメージ。生地全体が模様化しているため、模様を保つように成形させる工夫が必要だが、同じようでいて全く同じ柄に仕上がらないのも魅力の一つ」と話す。

 西岡さんが「アマビエ」を作ることを決めたきっかけは、3月にテレビで「アマビエチャレンジ」などとさまざまな「アマビエ」の投稿が紹介されているのを見たことから。「新型コロナウイルス感染症が静まるように」(西岡さん)と樹脂粘土を使い製作を開始。色の組み合わせや形を変えるなど4回の試作を繰り返して4週間かけて完成させた。

 ブローチとストラップは、直径約3.5センチ、厚さ約4ミリ。ウロコは紫色と桃色の2種類を用意する。「練り上げ技法でそれぞれ個性的な表情のアマビエが誕生した」と西岡さん。

 西岡さんは「買ってもらった方からは『癒やされた』『医療従事者の友達にプレゼントします』などのコメントをもらい、役に立ててうれしい。気持ちがすさんでしまうことが多い近頃だが、少しでも晴れやかになってもらえれば。『練り上げ技法』のことも気にとめてもらえたら」と話す。

 価格は1,800円(税別)。「八戸窯」とインターネットで販売する。