渋谷駅・ハチ公前広場に1月24日・25日、第5世代移動通信システム「5G」を活用したXR(ARやVRの総称)を体験できるブースが登場している。(シブヤ経済新聞)

 ハチ公前広場に設置した可搬型基地局

 KDDI(千代田区)、一般社団法人渋谷未来デザイン、一般財団法人渋谷区観光協会が主幹事業者となる「渋谷5Gエンターテインメントプロジェクト」の第1弾企画。同プロジェクトは、三者が昨年9月に立ち上げた「渋谷エンタメテック推進プロジェクト」が前身で、3月に予定されている「5G」の開始に先駆け、5G時代に体験できるエンターテインメントコンテンツを期間限定イベントで提供してきた。

 今回、三者に加え、東急やパルコ、デジタルガレージ、大日本印刷、ミクシィ、三井不動産、Netflix、ロボット、ベイクルーズ、トランジットジェネラルオフィス、ANAホールディングス、サッポロビール、丸井、SHIBUYA109エンタテインメントなど32社を参画企業として迎え、5Gを使いエンターテインメントなど「さまざまな文化を深化させる」取り組みを展開していく。

 第1弾となる今回は、同広場に5Gの可搬型基地局を開設。体験者には、5G対応の実証実験用スマートフォン(以下、5G対応スマホ)を貸し出す。端末にダウンロードされているARアプリ「STYLY」で、同所に用意するQRコードを読み込むと、ARコンテンツがダウンロードされる。ダウンロードにかかる時間が、現在の4Gだと約1分程度の所、5Gでは数秒で済むという。

 コンテンツ内容は1964(昭和39)年当時の同広場で、当時の写真や画像から3D技術で「東京の昔の街並み」をVR化する取り組みをしている一般社団法人1964 TOKYO VRのデーターを元に作ったARとなる。当時のJR渋谷駅駅舎や、忠犬ハチ公像がスクランブル交差点方向を向いていた様子や、かつて設置されていた噴水などが見られる。開催時間は10時〜18時。体験無料。
 広場に設置されているモニュメント「東急5000系車両(愛称:青ガエル)」内の観光案内所では3月31日まで、「AIスタッフ」が接客や、KDDIによる渋谷での5Gの取り組みの案内など、「未来の観光案内」を随時実証していく予定。

 今月25日には音楽ライブの「拡張体験」を提案する。シンガー・ソングライター須田景凪(けいな)さんのライブが行われる「LINE CUBE SHIBUYA」(宇田川町)と、渋谷モディ(神南1)内のKDDI直営店を5Gでつなぎ、同店の来店客が5G対応スマホを振るなどして起きるアクションが、ライブステージの演出に反映されるようになる。5Gの特徴である「低遅延」を生かした取り組みとなる(すでに参加者の募集は終了)。同店では26日、幕張メッセで開催される「EVO Japan 2020」のライブ視聴も予定する。

 KDDIのビジネスアグリケーション本部アグリゲーション推進部の繁田光平部長は「トライ&エラーをしていくには流行の感度が高い人、より多くの人が集まる場所が大事」と渋谷での展開理由を説明。参画企業や団体と連携しながら「アイデアを出し、取り組むことを繰り返すことで(渋谷が)新たな文化が生まれる街ということを加速させ、新しいものを発信していきたい」と意気込む。

 渋谷エンタメテック推進プロジェクトでは毎月新たなコンテンツを発表していたが、今後は2〜3カ月など頻度は少し落ちるという。