ハロウィーンを週末に控えた10月28日、ポール・カヴァナ駐日アイルランド大使が長谷部健渋谷区長を表敬訪問した。

 ハロウィーンは古代アイルランドが「発祥の地」とされている。「夏の終わり」を意味する「サウィン(Samhain)」が起源で、古代ケルト人が作物の収穫期の終わり、かつ冬の始まりである10月31日にたき火をして祝っていたという。移民によりアメリカに伝わり世界中に広がったのが現在のハロウィーンとなっている。今回、「日本のハロウィーンの中心地は渋谷というイメージを持っている」ことから、「本当のハロウィーンを知ってほしい」と渋谷区長を訪問した。

 カヴァナ大使は映像を流しながら、ハロウィーンの起源をはじめ、ジャック・オ・ランタンが元はカブで作られていたことや、死者の魂が妖精やモンスターなどの姿でよみがえると信じられていたことから「暗黒の地に連れて行かれないように」同じような格好をしたことが仮装の始まりということなどを説明。長谷部区長は興味深そうに耳を傾け、「知らないことがたくさんあり驚いた。奥が深い」と話した。

 区では今年、新型コロナウイルスの感染者を出さないためにも「#StayVirtual(#ステイバーチャル)」をテーマに来街の自粛を呼び掛けると共に、オンラインで開催されるさまざまなイベントへの参加を促している。

 アイルランドでも自宅で楽しむことを呼び掛けていると言い、その方法として、指輪や硬貨、布きれなどを中に仕込んで焼き上げ、切り分けたときに出てきたもので運勢を占う伝統的なフルーツケーキ「バーンブラック」などを紹介。カヴァナ大使は「世界中の皆が同じ状況。デジタルを活用し、仮想で一緒にお祝いする。友達や世界の人とつながって楽しみましょう」と呼び掛ける。

 続けて「お祝いをしてくれるのはうれしいが、違うかたちで発展してしまうのは残念」としつつ、「羽目を外してしまうことはどこの国でもあることだが、周りの人にも配慮し、責任ある行動を取って楽しんでほしい」とも。

 長谷部区長は「怒られるかと思っていた」と冗談めかしつつ、「新しいものを生み出したり変化したりしていくのは渋谷区の強みでもあり、渋谷ならではのハロウィーンが生まれつつあると思うが、ルーツやどのように発展してきたかを知らなきゃ駄目だと感じた」と話した。区のホームページで大使館が用意した映像を見られるようにするなど「ルーツを知る機会」をつくっていく考え。(シブヤ経済新聞)