早大演劇博物館蔵の17メートル「妖怪引幕」、デジタルコンテンツに 英で初公開

早大演劇博物館蔵の17メートル「妖怪引幕」、デジタルコンテンツに 英で初公開

 「早稲田大学演劇博物館」(東京都新宿区西早稲田1、TEL 03-5286-1829)と凸版印刷(千代田区神田和泉町)が、所蔵する河鍋暁齋画「新富座妖怪引幕(しんとみざようかいひきまく)」を高精細デジタルアーカイブ化した。今秋のリニューアルオープン後に、アニメーションなどデジタルコンテンツの公開を予定する。(高田馬場経済新聞)

 スタジオいっぱいに広げられた「新富座妖怪引幕」(提供:凸版印刷株式会社)

 同引き幕は、明治前期から1923(大正12)年の関東大震災で被災するまで興業を行った新富座(現在の中央区新富2)の舞台で使われた。当時活躍した戯作(げさく)者の仮名垣魯文(かながきろぶん)が、交友のあった暁斎に制作を依頼し新富座に贈ったもの。5代目尾上菊五郎や9代目市川団十郎をはじめとする当代の歌舞伎役者をモデルにした妖怪が新富座へと繰り出す様子が描かれている。1974(昭和49)年より、歌舞伎座を通して同館が所蔵。縦4メートル、横17メートルという大きさと素材の脆弱(ぜいじゃく)性から公開が困難であることや、その貴重性から資料の保存と活用の可能性を模索していたという。

 大英博物館(英ロンドン)で現在開催中の、日本の漫画の歴史を原画と共に紹介する展覧会「マンガ展」(8月26日まで)に同引き幕を出品することを機に、2018(平成30)年に凸版印刷へ高精細のデジタル撮影を依頼した。制作されたコンテンツは、日本国外での漫画展としては世界最大規模といわれるこの展覧会に連動して、ジャパン・ハウス ロンドン(同)で6月29日に行われるシンポジウムで初公開される。

 デジタル化に当たって凸版印刷では、同引き幕から94億画素の高精細デジタルデータを取得し、これを用いてアニメーションとビュワー型コンテンツを制作。アニメーションでは、描かれた妖怪たちが動き出し、暁斎が描いた世界を表現する。ビュワー型コンテンツでは、拡大や縮小をしながら同引き幕を細部にわたって鑑賞できる。妖怪に描かれた歌舞伎役者を写真や役者絵と比較したりするなどして、楽しむことができるという。

 今後も同館が持つ資料や学術的知見と、凸版印刷の技術やノウハウとを併せた共同研究を行い、高精細アーカイブデータを活用した文化資源の保存と利活用を進める。

 同館広報の木村あゆみさんは「妖怪引幕の一面展示は大英博物館でも来場者に強い印象を与えていると聞いている。マンガ展の会期終了後も館内で展示することは難しいが、高精細アーカイブデータの活用により再現されたデジタルコンテンツは本館展示室で閲覧いただけるよう準備を進めている。妖怪たちの躍動感ある動き、当時の芝居小屋の様子など、河鍋暁斎が描いた世界観を、リニューアル開館後の本館で味わっていただきたい」と話す。


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