iDeCo加入上限65歳へ 50代からでも節税メリット大きくなる

iDeCo加入上限65歳へ 50代からでも節税メリット大きくなる

 厚労省が年金改正で公的年金による「老後資金不足」を補完するために打ち出したのが、確定拠出年金「イデコ(iDeCo)」など私的年金の拡充だ。

 イデコは国民が自分で毎月掛け金を積み立て、投資信託などで運用して60歳以降に受給する「じぶん年金」と言えるものだ。もらい方は一括と年金型の分割を選ぶことができる。

 普通に証券会社の窓口で投資信託商品を買うのとどこが違うかというと、税制上のメリットが非常に大きいことだ。年金博士として知られる社会保険労務士の北村庄吾氏は「3重の節税ができる」と指摘する。

「第1に掛け金が全額、所得控除の対象になるため、毎年所得税の還付が受けられる。第2はイデコで買ったファンド(投資信託)などの利息、配当、売却益は全額非課税。そして第3は60歳以降に一括で受け取れば退職金と同じ退職所得控除が受けられることです。その節税効果を考えれば、50代の人なら借金してでもイデコを上限まで掛け続けた方が得だと言ってもいい」

 ただし、節税メリットが大きいだけに、制約もある。毎月の掛け金に上限が定められ、加入できるのは20歳から60歳を迎えるまでの現役世代、そしていったん積み立てた資金は60歳まで引き出せない。

 そのため、現在50歳の人は10年間、55歳なら5年間、59歳は60歳までの1年間しか掛け金を積み立てることができない。60歳の定年後も働いている人が、「節税になるならイデコでも始めようか」と考えてもこれまでは無理だった。

 しかし現在、制度改正でイデコの加入年齢の65歳までの引き上げが検討されている。そうなると、退職金をイデコで運用したり、60歳以降も働きながら給料からイデコを積み立てて老後資金を増やすことができるようになる。

5年で41万円節税

 では、どのくらいの節税メリットがあるのだろうか。イデコは毎月の掛け金の金額を自分で決めることができる。下限は5000円からだが、上限は会社員は2万3000円(※)、自営業者は6万8000円と高く設定されている。厚生年金に加入するサラリーマンと違って、国民年金加入の自営業者は公的年金の受給額が少ないことから、私的年金でカバーできるようになっている。掛け金の金額は年1回、変更が可能だ。

【※会社員の毎年の掛け金の上限は、勤務先の企業年金制度の有無などで、「2万3000円」「2万円」「1万2000円」に分かれる。「企業型確定拠出年金」を採用している企業の社員はイデコに加入できないケースもあるから注意が必要(制度改正で加入を認めることを検討中)】

 そこで年収別にD氏、E氏、F氏という3人の会社員と、自営業のG氏(4人とも50歳)の掛け金と加入期間ごとの節税額を試算したのが別掲の図になる。

 イデコの節税メリットは、掛け金が多いほど大きい。そして掛け金が同じであれば、収入が多い(所得税率が高い)ほど大きくなるということだ。

 年収300万円のD氏が毎月上限いっぱいの2万3000円を5年間積み立てた場合、節税額は20万7000円。対して年収700万円のF氏が同じ額の掛け金を同じ5年間積み立てると節税額は41万4000円と倍になる。

 イデコの最大のメリットは、投資した商品の運用利回りがたとえゼロであっても、節税効果だけで十分な利益が見込める点にある。

 新制度で65歳までイデコに加入できるようになった場合の節税額もこの図から計算できる。たとえば、現在50歳の人はこれまでは60歳までの10年間しか積み立てることができなかったが、制度が変わって65歳まで15年間加入できるようになったら、節税メリットがより大きくなる。

※週刊ポスト2019年11月29日号


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