大手外食チェーンのかなり安い価格設定を見て、「この値段で本当に儲けが出るのだろうか?」と不思議に感じることは少なくないが、もちろん、損を出してまで商品を売る店などない。

 例えば、安価な焼き鳥店の多くは輸入物の鶏肉を使い、レバー、ハツ(心臓)などは豚を使用しているケースもあるというが、「大手チェーンで国産鶏を安く提供できているのは、大量仕入れで原価を抑えられるから」(卸売業者)だという。

 一方、串打ちを店内で行なうため、「材料費よりも人件費がかさむ特徴がある」と業界紙記者は指摘する。

 ちなみに肉に刺す「竹串」の原価は1本あたり0.5円にも満たない。「ネットでは使い回しが取り沙汰されたりもするが、洗って使い回す方がよっぽど手間とコストがかかる。当然、使い捨て」(同前)が業界の常識だ。

 居酒屋の焼き鳥は海外の工場で串に刺して焼き、冷凍したものを店舗で解凍して出していることもあるが、「基本的に『ネギマ』がメニューにあるところは冷凍品ではない。ネギが冷解凍に不向きだから」(大手チェーン関係者)という。

 串カツの場合、「衣があるので具材の大きさや色、形の悪さが目につきにくい」(業界関係者)ため、食材ロスが少なく、原価を抑えやすい。また、肉よりも野菜が利幅は大きく「例外は仕入れ値が比較的高く、変動幅が大きいアスパラくらい」(同前)だという。

 焼き鳥店も串カツ店も、「串より収益の3〜4割を占めるドリンク販売が生命線」(同前)である点が共通している。

※週刊ポスト2020年1月31日号