収束の目処が見えないコロナウイルスの拡がりは、デパートやドラッグストアの化粧品コーナーにも影響を及ぼしている。感染の拡大を防ぐため美容部員によるタッチアップ(試し塗り)サービスが停止しているほか、手軽に商品を試すことができるテスターも撤去されているところがほとんどだ。

 ファンデーションや口紅など、実際に使用感を試してみたいという女性も多く、購入をためらう要因にもなっている。そんなテスターが使用できない状況で、あらためて注目を集めているのが美容系YouTuberの存在だ。40代の女性Aさん(会社員)は、こう語る。

「デパートの化粧品売場に足を運び、すべてのテスターが使用中止になっていて驚きました。こんなところにまでコロナの影響が及んでいるのかと実感しました。私はかなり強い敏感肌なので、花粉症の時期は肌荒れが悪化するんです。新しい化粧品を購入する際には必ず試供品で試していたので、正直困っています。

 そんななか、ネットで新作コスメの使用感を検索していたところ、たどり着いたのが美容系YouTuberさんの動画。これまでYouTuberの動画はほとんど見たことがなかったのですが、新作コスメを丁寧にレビューしてくれていてビックリ。動画をアップしているのは10代の若者ばかりだと思っていましたが、本業でメイクアップアーティストをしている方や元美容部員の方もいて、ハマってしまいました」(Aさん)

 また、低価格帯のコスメを愛用する学生にとっても、コスメレビュー動画がテスター替わりになっているという。20代の女性Bさん(大学生)もそんな1人だ。

「友達と一緒にドラッグストアでプチプラコスメを買おうとしていたときに、テスターが全部撤去されていてショックでした。学生なので600円のアイブロウですら、試さないで買うことはためらいます。

 そのとき友達が、プチプラを紹介するYouTube動画があることを教えてくれました。正直、美容系YouTuberはキラキラ系女子ばかりの印象で苦手だったんですが、いざ見てみると、かなり丁寧にレビューしていて偏見もなくなった。動画内で評価が良かったものを翌日ドラッグストアで購入しました」(Bさん)

 今回のコロナ騒動がきっかけとなり、それまでメイク動画に関心がなかった女性たちも美容系YouTube動画を視聴しはじめている。YouTuberにとっては思わぬところで動画再生回数のアップにつながっているのではないだろうか。