新型コロナウイルスによる感染拡大を防止すべく、企業が積極的に採用しているテレワーク(在宅ワーク)。しかし、会社に出勤しないワークスタイルに慣れない会社員にとっては困惑することも少なくない。とりわけ部屋や顔が映るウェブ会議は厄介だ。四苦八苦する現場の声を聞いた。

 20代でウェブデザイン会社に勤める女性会社員・Aさんは、会社でテレワーク導入の発表がされたときに焦った。理由は、ウェブ会議で映る部屋に問題があることだった。

「私の部屋はいわゆる“オタ部屋”。音声のみの連絡や進捗確認ならいいのですが、映像ありの会議だと、“推し”たちのポスターやマスコットなどのコレクションがライブ中継されてしまう。会社の同僚たちにはオタクであることを隠しているので頭が真っ白になりました」

 最初はカフェやカラオケなどで仕事することもあったが、情報漏洩の懸念や金銭的な負担から、“ある工夫”をして自分の家で仕事をしていると話す。

「晒しても大丈夫な“セーフティーエリア”を確保して、ウェブ会議の時にはそこに移動しています。事前には、趣味のものは映り込んでいないか、何度もカメラテストをしました。また音声だけなら格好は基本的には部屋着、ノーメイクに眼鏡ですが、映像があるときは、パパっと軽めのメイクをしてブラウスに着替えています。仕事中なのでちゃんとした格好をするのは当たり前なのでしょうが、テレワークだと、どうしても甘えた格好になりますよね……」(Aさん)

 金融会社に勤務する20代の女性・Bさんは、それまで一人暮らしだったが、テレワーク導入後は一時的に実家に戻り、かつての自分の部屋で仕事をしているという。

「特に何もやましいようなものはないとはいえ、ウェブ会議で私のプライベート空間が会社に晒されるのは、すごく嫌です。当初、男性社員から、『部屋をもっと見たいな、最寄り駅どこだっけ?』『家ではそういう服装なんだー』とか言われて、すごくモヤモヤしました。リアルに接していなくても、セクハラっぽいですよね……。気持ち悪かったのでひとまず実家に戻り、ウェブ会議のときは服装もいつも通りのビジネスカジュアルにしています」(Bさん)

 一方30代のメーカー社員・Cさんは、テレワークには基本的に賛成だが、ウェブ会議だけは慣れないと明かす。

「起きてすぐに仕事してもいいし、好きな音楽を聞きながら仕事ができるというのは天国。最初のうちはそんな自由を謳歌していましたが、どうしてもウェブ会議だけは慣れません。はっきり言って苦痛です」(Cさん)

 Cさんはテキストでのコミュニケーションには慣れているが、ウェブ会議による「顔見せ」でのコミュニケーションは、なぜかうまくいかないという。

「『表情が怖い』『怒ってるの?』と言われてしまって、落ち込んでいます。対面ではそんなこと言われたことはないのに、ウェブ会議では表情や感情が伝わりにくいのでしょうか。だから、相槌を多めにしたり、手ぶり身振りを大げさにして外国人風に頑張っています。会議だけは、やはり対面がいいですね」(Cさん)

 新型コロナウイルスの流行でテレワークが広まるなか、これまで経験していなかった様々な問題も生じているようだ。