3月に客室数が10万室を突破、拡大路線を突き進むのがアパホテルだ。コロナ禍で国内外の往来が途絶えても、営業を止めることは考えていないという。創業オーナーでアパグループ代表の元谷外志雄氏に聞いた。

──新型コロナウイルスの感染拡大によって日経平均は急降下、経済の先行きが見えなくなってきています。

元谷:日本人はもっと冷静な視点を持つべきです。一言で言えば、ワイドショーの騒ぎに躍らされすぎている。

 もちろん新型コロナを侮ってはいけません。しかし、毎年のインフルエンザと今回の新型コロナの致死率を比較すれば、「恐れすぎ」ではないかと感じます。過去のスペイン風邪や香港風邪が世界で何千万人とか何百万人単位で死者を出した状況と今回はまるで違いますから、あまり浮足立たないことが大事です。メディアも様々なデータを示して客観的な報道をすべきですよ。

 一番懸念しているのは経済への悪影響です。外出自粛要請が長期化すると、その分、経済活動が制限されて企業の売り上げや収益が一層、圧迫されていくジレンマがある。

 軽々に非常事態宣言やロックダウン(都市封鎖)を発動すれば経済的な損失は4兆〜5兆円のスケールとなりかねません。感染で亡くなる方より、経済的困窮で自殺に走る人のほうが多くなってしまうかもしれない。

 賛否両論あった中で、公立学校の一斉休校に踏み切った安倍首相の決断は評価しますが、経済を底抜けさせないための政策で後手を踏んではダメでしょう。

──どのような経済対策を取るべきだと考えますか?

元谷:とにかくスピード感が大事です。商品券支給だと印刷・作成に時間やコストがかかり、配布する手間も生じる。その点、現金支給なら即効性があり、すぐに実施できる。

 また、レジカウンターの税率変更などが大変という問題はありますが、消費税10%を元の8%に戻すだけでも相当な効果が見込めます。とにかく一刻も早く実施するべきです。

──新型コロナウイルスとの戦いは世界的に長期戦の様相ですが、今後の経済の行方をどう見ますか?

元谷:一番の関心は、今年11月の大統領選挙でアメリカのトランプ氏が再選するかどうかです。安倍首相も来年9月が任期満了で、日米ともに任期切れが迫ってきている。

 トランプ氏は大統領選までに株価の回復を狙っており、そのために経済対策で相当思い切った予算を組んだわけです。今後も、遮二無二コロナウイルス撲滅と強力な景気浮揚策を連打していくでしょう。だから再選する確率が高いと見ている。トランプ氏が再選すると任期は2025年1月までとなります。

 日本の安倍首相も四選を可能にすべきです。もし実現すれば、任期は3年後の2024年までとなる。向こう4年間、トランプ大統領、安倍首相の時代が続けば、落ち込んだ景気は再び上昇していくと考えています。

【PROFILE】もとや・としお/1943年、石川県生まれ。1971年、信金開発(現アパグループ)を創業。1984年にホテル事業を開始し、日本最大のホテルネットワークに成長させた。

●聞き手/河野圭祐

※週刊ポスト2020年4月17日号