米国中毒学会・米国臨床中毒学会は、腸洗浄や発汗促進によるデトックス(体内に溜まった毒を排出させること)について、病気の治療や予防を目的とした場合に推奨していない。

 腸洗浄とは、肛門から温水などを注入して腸内を直接洗う医療行為のこと。洗浄により腸内環境を整えることで、美容効果や免疫力向上が期待できると謳われている。費用は1回1万円〜程度が相場とみられる。内科医で秋津医院院長の秋津壽男医師が指摘する。

「それらに客観的な科学的根拠を基にした解毒効果があるとは示されておらず、同学会はむしろリスクを重視しています」

 腸洗浄には痙攣や痛みのほか、脱水、電解質のバランス異常、感染などが、発汗促進デトックスには熱中症や脱水、心筋障害といったリスクが生じかねない。

「腸洗浄の施術中に腸を傷つける事故や、サウナなどでの脳梗塞は多く報告されていますが、これらで長生きしたという医学的エビデンスは乏しいのが現実です」(秋津医師)

 健康維持やアンチエイジング、ダイエットなど、サプリ摂取の目的は人それぞれだが、注意したいのはそれらの「併用」だ。

 米国医療薬剤師会は、サプリや市販薬を含む5つ以上の医薬品を服用している場合、新たな薬を処方しないことを求めている。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏がいう。

「米国では、5つ以上の薬を服用すると複雑な投薬をきちんと把握して飲むことが困難になるという研究結果が出ています」

 多種類のサプリや市販薬を常用し続けていると、思わぬ副作用を招きかねない。医療の無駄を自身のホームページで発信するレディースクリニック市ケ尾院長の高橋誠治医師が指摘する。

「薬を併用することでのリスクを把握できるのは2種類までで、それ以上の種類を使うとどの薬が相互にどう作用しているのか、わかりづらくなります。薬は少ない種類で効果のあるものを使うのが大原則。厚労省も多剤併用を問題視し、7つ以上の処方では処方料が下がるように制度を変えました」

 少なくとも年に1回は飲んでいる薬が今後も必要かどうかなど、確認したい。その際には自分で判断せずに医師に相談したほうがいい。

※週刊ポスト2020年5月8・15日号