マスク不足は少しずつ解消しつつあるが、今回の騒動で、注目を集めたのが「手作りマスク」だ。市販のマスクがなかなか入手できないことから、自分でマスクを作る人たちが登場。好きな柄やデザインを選べるうえに、洗って繰り返し使えるということで、それぞれがさまざまな工夫を凝らしたマスクを手作りしている。

 一方で、そんな「手作りマスク」が苦手だという人たちもいるようだ。30代の男性会社員・Aさんは、手作りマスクに対し、「言いにくいこと」であると前置きしたうえで、「はっきり言って苦手」と話す。

「マスクをしていないだけで冷ややかな視線を感じるご時世なので、マスクは絶対にしておいたほうがいい。それはわかっているのですが、赤の他人が作ったマスクを着用するのは嫌ですね……。どんな人がどんな状況で作ったかわからないし、店で買う新品のマスクと違って、どこまで清潔なのかもわからないですし」(Aさん)

 そんなAさんだが、妻が手芸好きということもあって、手作りマスクを何枚か作ってくれたという。そのマスクの着用に抵抗はないのだろうか。

「妻や母親など、身内が作ったものであれば基本的には問題ありません。関係があるかわかりませんが、昔から他人の手料理が苦手で……。お店で売られているものや、おにぎり屋さんのものは平気なんですが、そうでないケースだと手を出せません。特におにぎりは、他の料理よりも“手でベタベタ触った”感があるので、苦手ですね。別に普段は潔癖ではないのですが」(Aさん)

 30代の女性会社員・Bさんは、マスク不足が深刻化していた3月下旬ごろ、同僚から手作りマスクを3枚もらった。「ありがとう」と笑顔で受け取ったが、本音は違った。

「受け取りを拒否するのはさすがに悪いと思ったので、その場では受け取りました。でも、そこまで仲がいい人でもなかったし、私以外にも配っていたので、おみやげをやたら配る“好感度上げ”みたいな感覚なのかな、と思いました。正直、気持ち悪かったです」

 Bさん自身、マスクのストックは底をつきそうだったのは事実。だが、在宅勤務になった夫や、義母が手作りマスクを作ってくれていた。

「夫は素手ではなく使い捨てのビニール手袋で作業していました。それを直接見ていたので、安心感はあります。義母からのマスクは気持ちはありがたいのですが、いかにも古着で作ったもので、少し困ってしまいました。よく洗って使おうかなとは思っていますが……」(Bさん)

 20代の男性会社員・Cさんは交際中の彼女から手作りマスクをプレゼントしてもらった。「おそろいのマスク」だという。実に微笑ましい話だが、Cさんの気持ちは複雑だ。

「手作りは重いです……。それなら、市販のお洒落なマスクが欲しかった。でも、僕の友人も同じ経験をしている人がいるのですが、彼はとても喜んでいました。SNSでも、彼氏・彼女にマスクを作ったとか、作ってくれたという投稿は多いようです。2人が楽しんでいるならいいと思いますが、僕の場合、マスクは自分のつけ心地がいいものがいいですね」

 市販のマスク不足の中で知恵と工夫で生まれた手作りマスクだが、もらうと複雑な思いをする人もいるようだ。