コロナ後は社会が一変する。政府は「新しい生活様式」のモデルを示し、日常生活や家族関係から、働き方、余暇の過ごし方まで国民にライフスタイルの転換を求めている。

「社会的距離」(ソーシャル・ディスタンス)を取る生活が求められ、「働き方」では満員電車通勤を避けてテレワークやローテーション勤務が定着する。名刺交換は対面からオンライン、宴会や接待は商談に必須のものではなくなるだろう。

 日々の生活も外食はデリバリー、買い物は通販に置き換わり、現金主義から電子決済が進む。不要不急の通院は避けられ、家族旅行も減る。

 新しい社会に変われば、これまでの価値観や判断基準は通用しなくなり、従来の「勝ち組」と「負け組」の逆転が起きる。新たな「リスク」とどう向き合うかが問われるからだ。

 働き方では「安定志向」が強まる。定年後により多く稼ぐことを優先する選択より、収入が少なくても「正社員」のまま雇用延長を選ぶほうが安全という判断も有力になる。

 老人ホームへの入居も考えものだ。コロナ流行前は高級老人ホームに入居する高齢者は、「勝ち組」だった。だが、いまやクラスター(集団感染)化のリスクにさらされ、家族との面会も制限されている。その点、自宅で1人暮らしの方が“安全”で家族との面会制限もない。

 生活圏の選択も変わる。在宅勤務が普及すれば家賃の高い都心にこだわる必要はない。地方への移住が増え、地価も大きく変わるはずだ。コロナは間違いなく、私たちの生活と価値観を変容させているのだ。

※週刊ポスト2020年6月12・19日号