「パート先の飲食店が休業してしまい、収入がゼロになりました。毎日の食費などで生活が逼迫し、一刻も早く“給付金”を支給してほしい。それなのに、いつまで経っても入金されない。アベノマスクだっていまだに届いていない人もいる。安倍さんは“お友達”のことは素早く対応するのに、国民のことは後回しにしている印象を持ってしまう。給付金はいま必要なのに、日本はどうなっているのか」(都内に住む50代主婦)

 1人10万円が支給される「特別定額給付金」を巡り、日本の現状に憤りを覚える人が急増している。それもそのはず、韓国ではわずか1分のオンライン申請で手続きは完了。最短で30分後に、世帯に応じた支援金がクレジットカード会社のインフラを活用して支給され、わずか2週間で97%の世帯への支給を終えたと報じられている。

 片や日本は、「簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行う」との目的のもと、4月20日に給付金の支給が決定。だがそのシステムは、決して“迅速”といえるものではなかった。

 すでに給付金が支給されている地域もあるが、支給開始時期は自治体によって異なる。各自治体は各世帯の申請書を準備して郵送し、返送されてきた書類に誤りがないかをチェック。その後、金融機関に振り込みを依頼するのだが、データ入力や本人確認など手間のかかる作業が多く、大都市ほど遅れが出ている。

 当初、安倍晋三首相は「5月中」の支給を目指す考えを示していたが、蓋を開けてみれば、人口100万人以上の11都市のうち、札幌市と神戸市を除く9都市が「6月中」の支給にずれ込んでいる。だがこれはあくまでも予定。さらに遅れる可能性もあるという。経済ジャーナリストの荻原博子さんが言う。

「東京23区に住む私のもとには、現時点(6月1日)で、まだ申請書すら届いていません。返送した書類が受理されて、給付金が振り込まれるまで1か月近くはかかるとみています。振り込みは早くて6月下旬、多くの人は7月にずれ込むことを覚悟しておいた方がいいでしょう」

 韓国同様、日本でもマイナンバーカードを用いればオンライン申請が可能ではあるが、まったくといっていいほど機能していない。

「マイナンバーカードの普及率は約16%に過ぎません。それに加え、オンライン申請でも、最終的には役所の担当者が目で確認せざるを得ない。慣れない作業で事務処理の負担が大きくなるため、自主的にオンライン申請を中止した自治体も43以上出ています」(前出・荻原さん)

 実際、早いとされたオンライン申請での支給が、郵送申請よりも1〜2週間ほど遅れた自治体もある。

 ミスも出始めた。大阪・寝屋川市では約2200人の住民に対して、総額2億円超の二重払いが発生してしまった。

 今回の「10万円給付」は、国の新型コロナ対策で突如現れた業務。そのため役所内に担当課は存在せず、各自治体の職員たちは四苦八苦。東京・品川区では、職員がローテーションを組み、24時間体制の作業を強いられている。

「政府はマイナンバーカードの普及率などを考えれば、現場に混乱が生じることは予想できたはずです。それなのにバタバタと枠組みを決定して、発表した後は各自治体に対応を“丸投げ”。無理を押し付けられた役所の人たちには同情します」(前出・荻原さん)

 支給が遅くなればなるほど、苦境に立たされる人は増えていく。政府には迅速な対応が求められる。

※女性セブン2020年6月18日号