リモートワークで家にいる時間が増えたことで、円満だった夫婦に軋轢が生じているケースがみられる。中でも、問題が表出したのが「共働き世帯」だ。40代女性が嘆く。

「子供の学校が休みになったから、家で面倒をみる時間が増えたのに、『俺は有給とか定時退社とか、融通がきかなくてさ……』と、私ばかりが面倒をみることに。結局、男のほうが働きやすい社会で悲しくなりました」

 人材派遣サービスを行なうパーソル総合研究所が5月に行なった調査によれば、働きながらの子供の世話について「負担に感じる」と答えた男性が33.3%だったのに対し、女性は56.3%だった。育児の負担が女性に偏り“働きにくい”と感じている人が多くいることを示唆するデータである。

 女性のほうが仕事の場を奪われているという実態もある。総務省の労働力調査によれば、4月の就業者数は前年日80万人減となったが、そのうち女性が53万人を占めた。

“女性活躍”“女性が働きやすい社会”とさんざん喧伝されてきたが、コロナで「女性が働きたくても働けない」状況が生じたのである。

 平日の昼間から夫婦が家に揃うのだから、これまでになかった亀裂も生じてしまう。夫のほうは、

「家には仕事部屋がないから、リビングで仕事するのは当たり前。なぜ邪魔者扱いされなきゃいけないのか」(40代男性)

 と不満を募らせるが、一方の妻は、

「偉そうにリビングを占領するのが許せない。子供と一緒に過ごす場所がなくなる迷惑を自覚していないから、ますます腹が立つ」(50代主婦)

 さらには、ふだんは見せない「仕事中の態度」に嫌気がさしてしまうケースもあるという。女性問題を中心に取材しているジャーナリストの亀山早苗氏が語る。

「夫が仕事の電話をしているのを聞いて、『こんなに偉そうな態度で応対するんだ』とか『この人、仕事ができないんだ』と思ってしまう妻もいるようです」

 コロナ後は、今以上に“古い男”が生きにくい社会になるのだろうか。

※週刊ポスト2020年7月3日号