複数の女性を相手にしたアンジャッシュ・渡部建の不倫騒動は、世間の話題をさらった。だが話は、華やかな芸能界に限ったものではない。巷では、非日常的な体験を求め男女が集まる“既婚者合コン”なる催しが話題だという。友達作りという名目だが、中には、不倫関係を求めて出入りする者もいるとか。フリーライターの吉田みく氏が、「既婚者合コンで知り合った男性と食事へ行った」と話す30代主婦に話を聞いた。

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「毎日がつまらなくて……」──そう語るのは、咲さん(仮名・30代)。現在、専業主婦として家庭を守っている。子どもはおらず、夫と二人暮らしだ。この咲さん、緊急事態宣言が発令される前に参加した既婚者合コンで知り合った男性と、先日食事へ行ったという。

 毎日家事だけをこなす咲さんにとって、今の暮らしは退屈そのもの。パートで働くことや習い事なども検討したが、気分が乗らずやめてしまった。そんな時、ネット記事で知った既婚者合コンに心を奪われたのだった。

「“既婚者同士で友達作り”、私が求めていたものかもしれません」(咲さん、以下同)

 咲さんはすぐに申し込みをした。参加にかかる数千円の費用は、夫から預かっている生活費から捻出した。

 念願の既婚者合コン当日。咲さんは目いっぱいのオシャレをして会場へ向かった。この日のための被服費も、夫が稼いできたお金がもとだった。

 カジュアルなイベントということもあり、男女ともに和気あいあいとした雰囲気だったと咲さんは振り返る。参加者の年齢層は30〜40代がメインで、会社経営者を名乗る者もいれば、公務員というお堅い職業の人まで様々。人数は男女合わせて15名程度だったという。

 楽しい時間はあっという間に過ぎ、そこで知り合った2児の父で会社員のA氏と、LINEを交換することになる。詳しい年齢は聞かなかったものの、40代前半くらいの雰囲気だった。

「LINEのメッセージ内容は友達みたいな感じですよ」

“おはよう”から“おやすみ”まで、何気ない会話で盛り上がっていたそうだ。お互い、4月から5月にかけての緊急事態宣言中は時間を持て余していたこともあり、LINEでのやり取りは頻繁だった。

「緊急事態宣言が解除されたらランチへ行こうって話していました」

ランチ代5000円の請求…

 6月某日、咲さんとA氏は都内のオシャレなレストランで再会した。その日は、既婚者合コンの時よりも気合いを入れた女性らしい装いで向かったという。もちろん、この出費も夫の稼ぎからだ。

「彼は“かわいいね”って言ってくれました。こんな気持ち、すごく久しぶりです」

 咲さんは嬉しかった。夢のような時間だったと語る。ランチタイムが終わり、A氏から「もう少し一緒にいたい」と誘われたが、しかし、咲さんは丁寧に断った。

「夫との生活は平凡でつまらないですが、嫌いなわけではありませんので……」

 その誘いを断ったことが原因なのか、A氏は咲さんにランチ代5000円を請求してきたという。

「ご馳走してもらえるものかと思っていました。痛い出費でしたね」

 その後、今まで頻繁だったA氏とのLINEのやり取りも無くなり、現在はメッセージを送っても「既読」すらつかなくなった。

「一度食事をしただけなのに、日が経つにつれて夫への罪悪感が出てきました」

 既婚者合コンに参加したこと、A氏と会ったこと、そこで夫から渡されていた生活費を充ててしまったことに対して、「いけないことをしてしまったかもしれない」と思い始めたというのだ。

「目を合わせたら、私が隠していることが見透かされそうで……」

 A氏とのデート後、数日はまともに夫の顔を見ることができなかったそうだ。特に怖かったのは、A氏とのデートのために購入した洋服を褒められた時。「いいね、似合ってるよ」──夫のこの言葉を、咲さんは素直に喜べなかった。

夫への不満と本音

 インタビュー時、咲さんは夫へのこんな不満も語っていた。

「夫がもっと私に構ってくれたり、刺激のあることを提供してくれればいいんですけどね。仕事人間なのでつまらないです」

 咲さんの夫は仕事で忙しく、時には出張で1か月近く自宅を空けることもあるそうだ。「休日は疲れがたまっているせいか寝てばかりなんです……」と、嘆く咲さん。既婚者合コンへの参加や男性との食事は、咲さんなりの夫への当て付けだったのだろうか。

「男性との食事だけなら主人を裏切る不貞行為ではないですしね。いくらサッと終わらせたとしても、男女関係がある場合はNGだって思っています」

 どうやら咲さんなりの“線引き”があるようだ。しかし、一方でこんな本音も漏らした。

「主人が他の女性と食事していたら嫌かな。その分のお金を私に回して欲しいですね」

 今までの夫とのコミュニケーションを振り返る咲さんの表情は険しかったが、最後にこう言って締めくくった。

「今回の件について色々と思うことはありますが、結果バレなきゃいいですよね」──咲さんはどこか吹っ切れた表情でそう言った。

 既婚者合コンに参加する男女の多くが、連絡先を交換し、合コン終了後のコミュニケーションを楽しんでいる。筆者も実際に潜入したことがあるが、集まった男女で恋愛遍歴を語ることは多く、その場での赤裸々なトーク内容からも、合コン後、婚外恋愛に至るケースも珍しくないように見える。

 咲さんのように、最初は食事のみの関係だったが、回数を重ねて会っていくうちに深い関係へ……というのはよくあることなのかもしれない。“友達作り”という表向きではあるが、実際の闇は深いようだ。