新型コロナウイルスが日本に上陸してはや9か月。4月には緊急事態宣言が出され、ステイホームや自粛、時短勤務などで経済が低迷し、各企業の業績が悪化した。当然、夏のボーナスには負の影響が目立ったが、さらなる落ち込みが予想されるのが冬のボーナスだ。というのも、今年4月以降の業績を反映して冬のボーナスの額を決める企業が多いからだ。

 新型コロナで特に大きなダメージを負ったのが、国際便を中心にフライトの大幅な減便が続く航空業界だ。全日本空輸(ANA)は、冬のボーナスゼロを労組に提案し、スカイマークも冬のボーナスを見送る方針だ。ANAの30代客室乗務員が打ち明ける。

「会社からはボーナスカットだけでなく基本給の引き下げも提案されていて、そうなると平均で年収が3割も減ります。おまけにこれから先は、ほかの企業でアルバイトやパートをする副業も認められそうです。憧れだった客室乗務員がほかの会社でバイトをするなんて、世も変わりました……」

 日本航空(JAL)の20代客室乗務員も戦々恐々だ。

「夏のボーナスは例年の半分ほど。冬のボーナスはまだ発表されていませんが、ANAと同じくカットになるのではと社内ではもちきりです。すでにフライト時間が半分になって、フライトのたびにもらえる乗務手当や宿泊手当が激減してカツカツの状況です。空港から遠くなるけど、ひとり暮らしは諦めて実家に帰ろうかと悩んでいます」

 旅行業界も深手を負った。大手のJTBは、1989年以降初めてという冬のボーナスゼロが決定した。旅行代理店に勤務する30代男性が話す。

「今年頭まではインバウンドや旅行需要で潤っていたので、1月に自宅のテレビや冷蔵庫など家電をクレジットカードのボーナス払いで購入しました。しかし、夏のボーナスはありませんでしたし、冬のボーナスは出ないと会社から言われているので貯金を取り崩して払うしかありません。

 地方でひとり暮らしをする母親の介護費用のために毎月、仕送りをしていました。しかし、夏冬のボーナスがないため、私の生活も厳しくなるので、このままでは仕送りも難しくなる。母親の介護費用をどうするのかと、妹と話しているところです。Go Toトラベルキャンペーンで旅行業界がなんとか盛り返せればいいですが、『これがダメなら転職を考える』と思い詰める同僚が少なくない」

 テーマパークも厳しい。東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは、正社員・嘱託社員約4000人の冬のボーナスを7割カットする。福島県いわき市の温泉施設「スパリゾートハワイアンズ」は、冬のボーナスが半額になる予定だ。

 10年ぶりの引き下げとなるのは国家公務員一般職だ。冬のボーナスにあたる「期末・勤勉手当」は前年度より0.05か月分少ない4.45か月に引き下げられる。夫が国家公務員の50代女性は複雑な表情を浮かべる。

「これまで周囲から、『公務員はコロナで給料が減らずいいわね』と嫌みを言われていました。ボーナスの引き下げはありましたが、世間と比べたら微々たるもの。今後も周囲から白い目で見られるのではないかと不安です」

※女性セブン2020年10月29日号