新型コロナウイルスの感染拡大に伴い急速に普及したテレワークだが、現在は完全在宅でなく出社と半々という勤務スタイルの企業も少なくない。人材サービスのアデコが10月に発表した調査結果によると、緊急事態宣言下でテレワークを実施した企業の82%がテレワークを継続しているという。その中で約半数の企業は出社日を設定しておらず、出社日を設定している場合、最も多かったのは「週3日出社」という回答だった。

 完全在宅から一転、出社日が設けられテレワークと出社の“二刀流”が主流になっているようだが、この新しい働き方に苦労している人もいるようだ。

「半々にするくらいならいっそ、どちらか一方にしてほしい。正直、しんどいです……」

 そう嘆くのは、IT企業に勤務する20代の男性会社員・Aさんだ。緊急事態宣言中は完全在宅勤務だったが、解除後は出社日が週2日になった。その影響から、ミーティングや会議は、出社日に詰め込まれる事態となっている。

「せっかくオンライン会議が市民権を得たのに、上司がオンラインを嫌うんですよ。IT企業なのに『対面の方がコミュニケーションが円滑』『出社しないと仕事してる気がしない』などと言うので、必然的に出社日に打ち合わせが集中して、半日以上が打ち合わせの日も……。結果、ほかの仕事にしわ寄せがきて、効率が悪くなっている気がします」(Aさん)

 生活リズムがテレワークに慣れ切った人にとって、出社日の設定は厄介な存在でもある。「原則テレワーク勤務」ではあるものの、出社日が週1〜2日設けられているメーカーに勤める30代の女性会社員・Bさんは、「起床時間が変わってきつい」と嘆く。

「テレワークと出社がほぼ交互。毎日同じ時間に起きればいいのですが、どうしてもテレワークの日は少し遅く起きてしまう。生活リズムを一定にするのが難しいです」(Bさん)

 その一方で、テレワーク時と出社時でやる業務を分けて、毎日を乗り切っているというのは広告代理店に勤務する30代の男性会社員・Cさんだ。先輩や上司らと出社日をそろえることがコミュニケーションを円滑にする機会になっているという。

「在宅時は作業メイン、出社時はコミュニケーションメインと、そこでやる業務を明確に区別しています。オンラインやテキストだけだと、どうしても言い足りないことがあるので、それをカバーする日が出社日です。『あの件はこういう理由でこう判断して……』など、テキストベースの連絡事項の補足を口頭で上司に報告するようにしています」(Cさん)

 テレワークと出社、双方のメリットとデメリットを補完しながら働く日々が続きそうだ。