《成人式に地元の友達と集まって、初めてお酒を飲むのを楽しみにしていたのに》
《ここ1年、まったく帰省できていません。孫の顔が見られない両親が気の毒で…》

「自粛疲れ」に「コロナうつ」──人が集まるイベントや家族ぐるみの行事を中止せざるを得ないことを嘆く声は多い。しかしその裏で、「正直、ホッとしている」と密かに胸をなで下ろした人もいる。

 時事問題や日常の出来事を独自の視点でつぶやき、ツイッターのフォロワー数が18万人を超えるエッセイスト・深爪さんもその1人だ。

「小学校のときから学校になじめず、他人との接触が苦手でひとり行動が大好きな“ナチュラルボーン陰キャ”として生きてきた私には、会社の飲み会など気の進まないイベントや行事を断ることができるいまの生活は、ありがたい限り。つらいといわれている新生活様式も、ある種の人たちには大歓迎されていると思います」

 実際、女性セブンの読者約2000人が回答したアンケートでは、飲み会から季節の行事、子供関連のイベントに至るまで「中止や自粛のままでいい」「大きな声では言えないけれどありがたい」の意見が多く寄せられた。そこには、ママ友とのランチや会社の飲み会では聞けない“ここだけの話”があった。

「今年はずいぶん節約できた」

 アンケート結果でダントツの票を集めていたのは、忘年会や新年会など会社や仲間内での飲み会だった。

「お酒も飲めないのに、『この地域の決まり事だから』と強制参加させられたご近所さんとの忘年会。つきあいたくもない近隣の相手をするのは本当に苦痛だった」(58才・岩手)、「次の日も朝から仕事なのに、だらだらと職場の人たちと飲み続けるのは無駄」(45才・愛知)など、人間関係の煩わしさへの嘆きとともに目立ったのは、金銭面に関する声だ。なかには「毎年、夫がいくつもの忘年会に参加して深夜帰宅が続くうえ、出費がかさんで険悪な雰囲気になっていたが今年はずいぶん節約できた」(35才・東京)という、これまでの苦労がうかがえる回答もあった。

 IT企業のリーディングテックが全国18才以上の男女を対象に行った調査によれば、2020年の1人当たりの貯金額の平均値は389万円。コロナ前の2019年の317万円から72万円も増加している。

 コロナの影響による日常の変化を調査してきたエッセイストの紫原明子さんが言う。

「飲み会の自粛で出費が抑えられたというケースは多い。例えば飲み会というと、これまでは会費を払っていたのに、忘年会がリモートになって会社から、一律5000円を支給され、好きな食べ物やお酒を買うことができたという人や、飲み会の代わりに会社の休憩時間に高級なケーキをみんなで食べて、それで充分だった、というケースなどさまざまです」

 コロナ禍という非常時に、少しでも社員をなごませようとした会社ではむしろ行事が縮小されたことで絆が深まっているようだ。

※女性セブン2021年3月18日号