「バイオハザード」シリーズや『名探偵ピカチュウ』(19)、『ソニック・ザ・ムービー』(公開中)など、近年はテレビゲームを原作とする実写映画の数が増えてきた。始まりはいつで、いままでどんな作品が作られてきたのか?その歴史を印象的なタイトルとともに振り返ってみたい。

■『スーパーマリオ』で始まったゲーム実写化の歴史

初期のテレビゲーム原作映画としてまず思い浮かぶのが、『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』(93)。タイトル通り任天堂が生みだした「スーパーマリオ」シリーズが原作なのだが、マリオとルイージの血がつながっていなかったり、クッパが人間にしか見えなかったり(演じているのはなんと名優デニス・ホッパー)、ヨッシーがリアルな恐竜だったりと原作から大きく乖離しており、評判はあまりよろしくなかったそうだ。

1994年には対戦型格闘ゲームを実写化した『ストリートファイター』が公開。リュウやケン、春麗(チュンリー)、ガイルなどおなじみのキャラクターが登場している。主人公はガイルで、彼を演じたジャン=クロード・ヴァン・ダムが魅せるキレキレのアクションは見応えあり。その後、2009年には春麗を主人公とする『ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー』も作られた。
同じく格闘ゲームからは、残酷な方法で対戦相手に止めを刺す“フェイタリティ”で有名な「モータル・コンバット」も、1995年に同名のタイトルで映画化された。「バイオハザード」シリーズのポール・W・S・アンダーソンが監督を務め、「ハイランダー」シリーズのクリストファー・ランバートがライデン役にキャスティングされている。続編『モータルコンバット2』(97)も制作されたほか、2021年公開予定で再映画化されることも発表されている。

■『トゥームレイダー』『バイオハザード』が大ヒット!

2000年代に入るとさらにテレビゲーム原作の作品は増えていく。2001年には、トレジャー・ハンター、ララ・クロフトの活躍を描く『トゥームレイダー』がヒットし、続編『トゥームレイダー2』(03)も製作。主演を務めたアンジェリーナ・ジョリーの出世作にもなった(2018年にもアリシア・ヴィキャンデル主演で再映画化)。ゾンビとの戦いが繰り広げられるホラーアクション『バイオハザード』は2002年に公開。主人公アリスを演じたミラ・ジョヴォヴィッチも本作で大ブレイクを果たし、2016年までに5本の続編が制作されている。日本からも中島美嘉やローラがシリーズに登場した。
このほか、火星を舞台に特殊部隊の隊員がモンスターとの戦いを強いられる、ザ・ロックとカール・アーバンの共演作『ドゥーム』(05)。坑道火災によって大勢が死に、ゴーストタウン化した街にヒロインが迷い込むホラー「サイレントヒル」シリーズなど、アクションやホラーを中心に映画化されている。

■『ランペイジ 巨獣大乱闘』には特撮ファンも大満足!

2010年代はさらにバラエティ豊かな作品が登場する。ジェイク・ギレンホールの王子役がまぶしい『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂』(10)や、暗殺者を演じたマイケル・ファスベンダーのアクロバティックな動きも楽しい『アサシン クリード』(16)。魔法使いやエルフ、ドワーフが登場するファンタジーの世界を舞台に人間とオークの戦いや絆が描かれる『ウォークラフト』(16)も、デヴィッド・ボウイの息子ダンカン・ジョーンズによって映像化されている。

80年代のアーケードゲームをベースにした『ランペイジ 巨獣大乱闘』(18)のヒットも記憶に新しい。巨大化したゴリラにワニ、オオカミに加え、人類最強の男(?)ザ・ロックが市街地を舞台にまさに“大乱闘”を繰り広げ、怪獣映画としても特撮ファンを大満足させる内容だった。また、厳密にはテレビゲーム原作ではないが、「パックマン」や「ドンキーコング」といった作品に登場するキャラクターに変身したエイリアンと人類が戦う『ピクセル』(15)も話題に。

■ピカチュウやソニックに“キャラ萌え”する人が続出?

リアルな人間やモンスターではなく、現実世界には存在しなさそうなキャラクターを実写映像に溶け込ませた作品として、『名探偵ピカチュウ』の登場は衝撃だった。「ポケモン」シリーズから派生した同名ゲームを原作とし、なぜか中身がおっさんで探偵でもあるピカチュウと彼の言葉がわかる主人公が難事件に挑む。“ポケモンが現実の世界にいたら?”という世界観が見事に再現され、顔をくしゃくしゃにした、いわゆる“しわしわピカチュウ”もかわいい(!)とトレンドになった。

そして、『名探偵ピカチュウ』と同じくキャラクターの実写映像化しに成功したのが『ソニック・ザ・ムービー』だ。「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」シリーズをベースに、音速で走ることができる青いハリネズミことソニックの冒険を描く。猛スピードで駆け回るソニックや、彼と友人になる人間たちとの絆、宿敵ドクター・ロボトニックとの戦いなど見どころが満載。ロボトニックを演じるジム・キャリーの怪演も見逃せない。

今年はさらに、ポール・W・S・アンダーソン監督&ミラ・ジョヴォヴィッチ主演で、プレーヤーたちが巨大なモンスターの狩りを楽しむゲームを実写化した『モンスターハンター』(9月4日公開)も控えている。映像技術は日々進歩しており、ゲームを原作とする実写映画は今後ますます増えていきそうだ。

文/平尾嘉浩(トライワークス)