都内の終末期医療専門病院に勤務する現役医師でありながら、作家としても活躍する南杏子の原作を映画化する『いのちの停車場』(2021年公開)。このたび主演に吉永小百合を迎え、松坂桃李、広瀬すず、西田敏行、田中泯ら豪華キャストが出演することが発表された。

『八日目の蝉』(11)の成島出監督がメガホンをとる本作は、日本の長寿社会における現代医療制度の問題点や、尊厳死、安楽死などのタブーに切り込み、それらに携わる医師や患者、その家族を描いた感動の医療ドラマ。日本を代表する名女優の吉永が、長い映画人生のなかで自身初となる医師役に挑む。

吉永が演じる救命救急医の白石咲和子は、とある事情により長年勤めた大学病院から石川県にある実家へと戻り、“在宅医療”を通して患者と向き合う「まほろば診療所」に勤務することに。いままで自分が経験してきた医療とは異なる “命”との向き合い方に初めは戸惑いながらも、周囲のスタッフに支えられ“在宅医療”だからこそできる患者や家族との向き合い方を見いだしていく。

また、咲和子を追って診療所で働くようになる大学病院の事務員、野呂聖二役に松坂、診療所を支え続けてきた訪問看護師の星野麻世役に広瀬という若手実力派が並ぶほか、診療所の三代目院長の仙川徹に扮する西田、佐和子の父親で元美術教師の白石達郎を演じる田中といったベテラン勢が脇を固める。

原作に惚れ込んだという吉永が、実際に在宅医療をおこなう医師や大学病院の医師から直接指導を受けるなど、並々ならぬ情熱を注いでいるという本作。新型コロナウイルスにより“命”について考える機会が増えているいまだからこそ、“生きることの大切さ”や“素晴らしさ”を訴えかける感動のストーリーは、より私たちの心に響くことだろう。


<キャスト&スタッフ コメント>

●吉永小百合(白石咲和子役)

「幼いころ、身体が弱くて何度も入院し、素晴らしい先生に救(たす)けていただきました。いま、私はどんなドクター像を作ることができるか、心が弾む毎日、しっかり準備します。医療関係の方々へ感謝の思いを込め、“生と死”をしっかり見つめる作品をみんなで力を合わせて作ります」

●松坂桃李(野呂聖二役)

「今回、吉永小百合さんとご一緒できること、たいへんうれしく思います。と同時にものすごく緊張しております。命の尊さが温かく、時に残酷なくらいゆっくり伝わってくるこの感情を大事にしながら、向き合っていければと思います。成島組の現場は初めてですが、本読みやリハーサルを重ね、しっかりと溶け込めるよう、いい緊張感を持って臨んでいきます」

●広瀬すず (星野麻世役)

「成島監督、吉永小百合さんをはじめ、このようなすてきな共演者の皆様と一緒にお芝居ができることを、そわそわしながらも、楽しみでしかたがありません。演じる麻世さんも、彼女のいろんな心に触れられるよう、まほろばの家族と一緒に楽しみながら一生懸命演じられたらなと思います」

●西田敏行(仙川徹役)

「憧れの吉永小百合さんを座長にいただき、『いのちの停車場』という作品に参加できることで、齢72の私は、喜びと緊張で生きる力が、みなぎってまいりました。この『いのちの停車場』の持つテーマと哲学を皆さんに投げかけ、生きること、死ぬことへの思いを巡らせていただけたら、幸甚です。だれも避けては通れない死とは!?」

●田中泯(白石達郎役)

「私は二人居ない。そしてたった一度の人生を生きている。“その人”も唯一無二の人生を生きる人だ。台本の中の“その人”に僕は震えた。言葉で書き上げられた台本をこんなにうらめしく思ったことはない。“その人”となって僕が映画の中に居る?居たい!僕の全身はほんとうを見つけられるのか、不安だ。が、絶対に“その人”をそこに居させてみせる」

●成島出(監督)

「主演の吉永小百合さんをはじめ、若手実力派俳優の松坂桃李さん、広瀬すずさんなど、豪華なキャスティングで本作を迎えることができ、ワクワクしています。現代日本が抱える医療制度の問題点を背景に“命とはなにか”を問いかけます。そして作品を通して“生きる希望”が持てるように仕上げたいと思います」

●南杏子(原作者)

「映画化のお話をいただいた時は夢かと思いました。原作者としてこれ以上の幸せはありません。多くの方々の力で小説が三次元に立ち上がり、新鮮な命が吹き込まれるのを楽しみにしています。吉永小百合さんに主役を演じていただけるのはほんとうに感激です。ベテラン女医ブームがくる――と確信しています」

文/トライワークス