「96時間」シリーズなどでアクション俳優として確固たる地位を築いているリーアム・ニーソンが主演を務めた『Honest Thief』が2425館で370万ドルを売り上げ、今週(10月16日から18日)の北米興収ランキングで初登場1位を獲得した。一方、先週ついに首位から陥落したクリストファー・ノーラン監督の『TENET テネット』(公開中)は、順位をまたひとつ落として3位となったものの、北米累計興収は5000万ドルに到達。全世界興収も3億3390万ドルと、先週より1000万ドルほど上乗せする結果に。

『Honest Thief』は人気ドラマシリーズ「オザークへようこそ」のプロデューサーであるマーク・ウィリアムズが監督を務めたクライムアクション作品。凄腕の銀行強盗のトム(ニーソン)は、運命の女性と出会い足を洗う決意。そして盗んだ金を返すためにFBI捜査官に取引を申し出るのだが、欲に目がくらんだ捜査官2人は大金を自分のものにするためにトムの命を狙いはじめるというストーリーだ。
娯楽性に富んだ明朗なアクション映画が少なかったことに加え、人情味あふれながらとにかく強いという主人公のキャラクター像は、近年のニーソン出演作のファンが求めていたキャラクター像に合致したようで、批評集積サイト「ロッテン・トマト」では批評家からの低評価とは裏腹に一般ユーザーの88%が本作を支持。『シンドラーのリスト』(93)や『バットマン・ビギンズ』(05)などに次いで、ニーソン出演作でも指折りの高評価を集めることになった。

一方、今週も5位に踏みとどまった『ホーカスポーカス』(93)や11位の『リメンバー・ミー』(17)につづいて、ディズニーはハロウィン映画の定番『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(93)の再上映をスタート。
2008年と2009年に3D版が公開されて以来の大規模再上映となった今回、やはりファミリー向け作品の需要が高まっていることを受けてか、2194館で132万ドルの売り上げを記録し4位にランクイン。これまでの再上映ではハロウィン前の週末にもっとも興収を伸ばしているだけに、来週と再来週も上位に入る可能性が高そうだ。

大作が相次いで延期となりながらも、スター俳優出演のインディペンデント系作品や季節性の強い作品が存在感を発揮している北米の映画興行。例年の同じ時期の週末と比較すると10分の1程度の壊滅的な状態はまだ続いているが、それでも全体の興収は先週よりも微増傾向。日本では『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(公開中)の驚異的な大ヒットスタートで一気に興行を取り巻く空気が一変しただけに、北米でもそろそろ『TENET テネット』以上の起爆剤となる作品が現れないかと願わずにはいられない。

文/久保田 和馬