ヴィクトル・ユゴーの小説『レ・ミゼラブル』を、ドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』の原作である英ドラマのシナリオを手掛けたアンドリュー・デイヴィスの脚本でドラマ化。映画やミュージカルでは語り尽くせなかった長編小説のディテールの映像化に挑戦している。貧困から罪を犯し犯罪者となったジャン・バルジャンと、犯罪者の子として生まれたが正義を信じ警察官となるジャベール。真逆の人生を歩む2人の男の信念の闘いを繊細かつドラマティックに描き、不平等社会であえぐ民衆の叫びと共に、今を生きる者の心に訴えかける。最後に残るのは希望か無常か。

■英国を代表する実力派たちが出演
ジャン・バルジャン役はTV『アフェア 情事の行方』のドミニク・ウェスト、ジャベール警部役は『グローリー 明日への行進』(14)のデヴィッド・オイェロウォ。テナルディエ夫人には『女王陛下のお気に入り』(18)のオスカー女優オリヴィア・コールマンという名優が揃い、複雑に絡む登場人物の運命を彩る。

■キャラクターの過去や苦悩を丁寧に描写
バルジャンに執着するジャベール警部の内面に迫り、彼が苦悩する姿を追うなど登場人物の背景にも焦点が当たる本作。リリー・コリンズ演じるファンテーヌの前日譚のエピソードも語られ、愛していた恋人に娘と共に捨てられた女性の悲劇性もつぶさに映し出していく。

■激動の時代を豪華セットとVFXで再現
若者たちがバリケードを敷く命懸けの籠城シーンは北フランスのスダンで撮影。古い街並みを利用した美術セットで当時の雰囲気をリアルに再現。怒れる民衆が集結する6月暴動の場面など、VFX技術を使った迫力ある映像で19世紀のパリの雰囲気を視覚的に楽しめる。

文/峯丸ともか