1973年に「西武劇場」の名称で開場して以来、プロデュース公演の先駆けとして、またPARCOの文化発信の核として約1200作品を上演。2016年に渋谷PARCO建て替えのために一時休館していたPARCO劇場が、いよいよ1月24日(金)から“第2幕”をスタートさせる。それに先駆けて15日、劇場のお披露目と3月13日(金)から行われるオープニング・シリーズの記者会見が開催。渡辺謙や天海祐希ら豪華俳優陣をはじめ、三谷幸喜や宮藤官九郎といった人気クリエイター陣が一堂に会した。

約3年半の建て替え工事と準備期間を経て、昨年11月にリニューアルオープンしたばかりの渋谷PARCO8階に誕生した “新生・PARCO劇場”は、創る側の創造性を刺激する豊かな舞台空間と、圧倒的に舞台に近い客席を両立した贅沢な劇場空間に。この日会見が行われたオープニングシリーズでは、PARCO劇場ゆかりの戯曲を新たな演出・キャストで上演する企画や、これまで作品を生みだしてきたクリエイター・キャストとの意欲的な新作など全14作品がラインナップされている。

その先陣を切るのは、35年前に山崎努主演で上演された伝説的作品「ピサロ」。初演当時に若きインカ王アタワルパ役を演じた渡辺が今回はピサロ役に挑み、新たにアタワルパ役を務めるのは宮沢氷魚。「今日登壇する出演者の中で西武劇場時代から出演していたのは僕だけかもしれません。僕にとっての演劇人生のエポックになる劇場。新しい劇場で雰囲気が変わってしまうのだなと不安がありましたが、舞台に立ってみるとPARCOが戻ってきたんだなという喜びと緊張が湧き出てきました」と、万感の想いを述べた渡辺。

そして「『ピサロ』も大きなエポックになる作品。このPARCO劇場での演劇の一発目の作品として、椅子ひとつひとつにこれから命を吹き込んでいかなきゃいけない。万全の準備をして初日を迎えたいと思います」と抱負を語る。一方で、渡辺が35年前に演じた役柄に抜擢された宮沢は「以前出演した『豊饒の海』で東出昌大さんと共演させていただき、昨年は杏さんと共演。そして今度は本丸の謙さんと共演。とても光栄に思います」と語った。

さらに6月から3か月連続で「大地」「三谷幸喜のショーガール」「三谷文楽 其礼成心中」の3作品を上演する三谷は、登場するや「本番中に携帯電話を鳴らした瞬間8万ボルトの電流が流れます」とユーモアたっぷりの三谷節を炸裂。さらに「1本目はオリジナルの新作『大地』。関係者の皆さんにうれしいニュースがあります。もう脚本はできています。頭の中に」と笑いを誘うと「東京オリンピックと丸かぶりですけど、スポーツに興味ない方は是非」と呼びかける。

そんな三谷の「大地」で主演を務める大泉洋は「憧れていたPARCO劇場についに立てるのかと感慨深い」と喜びを語りながら「脚本家の頭の中にはあるらしいですが、どんな話かも知らない。それどころか今日僕の顔を見てびっくりされて『まだ決めてないのに』と言われました。脚本家曰く、今日が僕の最終審査のようです。なんとかこの舞台に出たいなと思います」と三谷に負けじと会場の爆笑を誘う。

この2人のユーモラスな応酬は終盤の質疑応答でも続けられ、記者から大泉の出演について確認された三谷は「まだ決まってないのに彼がどういう気持ちでここにいるのかわからない」と真顔でコメント。さらに「薮原検校」で主演を務める市川猿之助が「できれば三谷さんの作品に出たかった」と冗談まじりに語ったことを受け、「猿之助さん空いてますか?」とスケジュールを確認する一幕も。

さらに三谷は、宮藤に直々に「台本っていつぐらいから書き始める?」と質問。自作の稽古が5月から始まることを明かし「まだできてないのは大変なことではないですよね?」と問うと、宮藤は「常識の範囲内だと思います(笑)」と困り顔で答えていた。(Movie Walker・取材・文/久保田 和馬)