現地時間4月28日、米国アカデミー賞理事会は第93回アカデミー賞の応募資格を暫定的に変更することを発表した。主な変更点は、今年度公開された映画に限り、劇場公開と同時・先行して商業的配信またはVOD配信された作品も、作品賞を含む各部門のノミネート資格を有する。

これは、現在アメリカにおいて新型コロナウイルスの感染拡大により劇場が閉鎖されていることを考慮し、劇場公開を予定している作品が配信で先行上映されたとしても候補作として認める。

昨年までの規則では、ロサンゼルス郡の映画館において、1日3回以上7日間に渡り連続で有料公開された作品のみ候補作と認めていた。また、投票権を持つアカデミー会員に対し、配信60日間以内に専用ストリーミングサイトで配信することも義務付けられている。このルール変更は、劇場の営業が再開されるまでの暫定的措置となる。

また、そのほかの変更点としては、音響編集賞と録音賞の統合、劇場営業が再開された際に、現行ロサンゼルス郡での商業公開に限っていたものを、ニューヨーク市、ベイエリア(サンフランシスコなど)、アトランタ、シカゴ、マイアミでの劇場公開に拡大。国際長編部門のロングリスト選出に際し、国際長編部門委員会だけでなく全アカデミー会員も予備投票が可能となる。作曲賞の選考基準に、6割以上のオリジナル作品を含む(続編やフランチャイズ作品は8割以上)ことを追加している。

また、アカデミー会員に向けて選考用DVDや脚本などの現物を郵送することは今年限りで終了、来年以降はすべてオンライン上で行われることになる。

アカデミー賞を主催する映画科学芸術アカデミーのデビッド・ルービン会長とドーン・ハドソンCEOは、「私たちは、劇場での鑑賞以上に映画の魅力を体験する方法はないと確信しています。 しかし、未曾有の悲劇である新型コロナウイルスのパンデミックが発生したため、受賞資格を一時的に変更することになりました。 アカデミー協会は、この難解な局面で会員や映画業界の同僚を支援しています。特に多くの観客が映画の公開を心待ちにしているいま、作品が観られることの重要性を認識しています」と声明を発表している。

ちなみに、ハリウッド外国人記者協会も第78回ゴールデン・グローブ賞の選考基準についての変更を発表している。昨年までの規則では、ロサンゼルス内での投票者向け試写が必要だったが、映画会社がDVDもしくはオンラインでの試写を行うことでノミネーション資格を得ることができる。また、3月15日から4月30日の期間に劇場公開を予定していた作品でVOD配信(サブスクリプションサービスおよびデジタル配信を念頭に配信された作品は除く)された作品も有資格となる。

現在のところ、第93回アカデミー賞授賞式は2021年2月28日開催予定。(Movie Walker・文/平井伊都子)