「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズで一世を風靡し、アカデミー賞作品賞受賞作『シカゴ』(02)でトップ女優の仲間入りを果たしたものの、その後女優業を休業。そして『ジュディ 虹の彼方に』(19)で華々しいカムバックを果たし、見事に第92回アカデミー賞主演女優賞に輝いたレニー・ゼルウィガー。本稿では、そんな彼女の出演作から、映画批評を集積・集計するサイト「ロッテン・トマト」で批評家の評価が高く、また日本国内の各動画配信サービスで視聴可能な10作品を一挙に紹介したい。

「ロッテン・トマト」とは、全米をはじめとした批評家のレビューをもとに、映画や海外ドラマ、テレビ番組などの評価を集積したサイト。批評家の作品レビューに込められた賛否を独自の方法で集計し、それを数値化(%)したスコアは、サイト名にもなっている“トマト”で表される。好意的な批評が多い作品は「フレッシュ(新鮮)」なトマトに、逆に否定的な批評が多い作品は「ロッテン(腐った)」トマトとなり、ひと目で作品の評価を確認することができる。中立的な立場で運営されていることから、一般の映画ファンはもちろん業界関係者からも支持を集めており、近年では日本でも多くの映画宣伝に利用されるように。映画館に掲示されたポスターに堂々と輝くトマトのマークを見たことがある方も多いだろう。

それでは、レネー・ゼルウィガー出演映画のフレッシュな作品10傑を挙げてみよう。

■ 89%フレッシュ『母の眠り』(98)

■ 86%フレッシュ『シカゴ』(02)

■ 83%フレッシュ『ザ・エージェント』(96)

■ 83%フレッシュ『ベティ・サイズモア』(00)

■ 82%フレッシュ『ジュディ 虹の彼方に』(19)

■ 80%フレッシュ『ブリジット・ジョーンズの日記』(01)

■ 80%フレッシュ『シンデレラ・マン』(05)

■ 78%フレッシュ『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』(16)

■ 76%フレッシュ『アパルーサの決闘』(08)

■ 70%フレッシュ『コールド・マウンテン』(03)

代表作を上回る高評価を獲得したのは、レネーがブレイクする前に出演した、隠れた秀作として知られる『母の眠り』。ハリウッドを牽引する大女優メリル・ストリープが演じる母親が病に倒れたことを知り、帰郷する娘エレンを演じたレネー。まったく違う世界で生きてきた母と娘が心を通わせていく様を通して描かれる普遍的な家族のドラマは、世代も国柄も性別も問わず、多くの人の心にしみることだろう。

またほかにはキャリア初期にトム・クルーズと共演し大きな注目を集めた『ザ・エージェント』をはじめ、初めてゴールデン・グローブ賞を受賞したサスペンス・コメディ『ベティ・サイズモア』や、アカデミー賞助演女優賞を受賞した『コールド・マウンテン』も高評価を獲得。いずれも秀逸な脚本が光る作品となっているので、レネーの演技を堪能しながらその卓越した台詞回しや物語の語り口に注目してほしい。

そして、レネーの新たな代表作となる『ジュディ』も82%フレッシュを獲得して上位にランクイン。不朽の名作『オズの魔法使い』(39)で17歳にしてスターダムを駆け上がり、波乱万丈な女優人生を歩み47歳の若さでこの世を去った伝説の女優ジュディ・ガーランドの晩年の物語を描いた同作。幾多のスキャンダルに見舞われ、すべてを失いつつある中で再び輝こうと必死でもがく姿は、女優としてのキャリアの低迷や整形スキャンダルなどが取り沙汰されながらも不死鳥のごとくよみがえったレニー自身とどこか重なるものがある。

先のアカデミー賞の授賞式で、レニーは『ジュディ』を振り返りながら「今回の体験を通して、なんでもできると信じられるようになりました」とスピーチし、女優としての華々しい第二章の幕開けに意欲をのぞかせていた。ここで挙げた10作品を年代順に追っていくだけで、女優のすごさを改めて感じることができるはずだ。是非ともこの機会にチェックしてみてはいかがだろうか。(Movie Walker・文/久保田 和馬)