バットマンやスーパーマンといった世界的人気ヒーローを生みだし、近年の映画界になくてはならない存在となったアメコミ映画シーンをマーベル作品と共に牽引しているDC作品。2013年に公開された『マン・オブ・スティール』を皮切りにスタートしたクロスオーバー「DCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)」作品以外にも、DCコミックスで発行されたアメコミやグラフィックノベルを原作にした作品には映画ファンから愛される傑作が目白押し。

そこで本稿では、映画批評を集積・集計するサイト「ロッテン・トマト」で公開された歴代のDCコミックス原作の映画化作品の高評価ランキングを参考に、そのなかから日本国内の各動画配信サービスで視聴可能な作品で、批評家からの評価がとくに高い10作品を一挙に紹介したい。

「ロッテン・トマト」とは、全米をはじめとした批評家のレビューをもとに、映画や海外ドラマ、テレビ番組などの評価を集積したサイト。批評家の作品レビューに込められた賛否を独自の方法で集計し、それを数値化(%)したスコアは、サイト名にもなっている“トマト”で表される。好意的な批評が多い作品は「フレッシュ(新鮮)」なトマトに、逆に否定的な批評が多い作品は「ロッテン(腐った)」トマトとなり、ひと目で作品の評価を確認することができる。中立的な立場で運営されていることから、一般の映画ファンはもちろん業界関係者からも支持を集めており、近年では日本でも多くの映画宣伝に利用されるように。映画館に掲示されたポスターに堂々と輝くトマトのマークを見たことがある方も多いだろう。

それでは、DCコミックス映画のフレッシュ作品を一挙に挙げてみよう。

■ 94%フレッシュ『ダークナイト』(08)

■ 94%フレッシュ『スーパーマン』(78)

■ 93%フレッシュ『ワンダーウーマン』(17)

■ 91%フレッシュ『ティーン・タイタンズGO! トゥ・ザ・ムービー』(18)

■ 90%フレッシュ『シャザム!』(19)

■ 90%フレッシュ『レゴバットマン・ザ・ムービー』(17)

■ 87%フレッシュ『ダークナイト・ライジング』(12)

■ 87%フレッシュ『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(05)

■ 87%フレッシュ『スーパーマンII 冒険篇』(81)

■ 84%フレッシュ『バットマン・ビギンズ』(05)

DCを象徴する二大ヒーロー、バットマンとスーパーマンの作品が批評家からも人気を集めているようだ。とりわけ上位10作品に3部作すべてがランクインを果たしたクリストファー・ノーラン監督の「ダークナイト」シリーズは、ダークな雰囲気と高いドラマ性を携え、それまでのアメコミヒーロー映画のイメージを大きく覆す重要な作品だったといえよう。その3部作のなかでも、94%フレッシュを獲得した『ダークナイト』はやはり別格中の別格。全米公開を半年後に控えた2008年1月22日に28歳の若さで急死したヒース・レジャーが演じたジョーカーは、映画史上に残る悪役として今後も語り継がれていくにちがいない。

また同じく94%フレッシュを獲得した『スーパーマン』は、言うまでもなく20世紀のヒーロー映画の定番中の定番。本作でもっとも注目すべきは錚々たる顔ぶれが集結した脚本チーム。「ゴッドファーザー」シリーズの原作者で脚本も務めたマリオ・プーゾに、本作の翌年『クレイマー、クレイマー』(79)でアカデミー賞監督賞と脚本賞をダブル受賞するロバート・ベントン、ベントンと共にアメリカンニューシネマの名作『俺たちに明日はない』(67)の脚本を手掛けたデヴィッド・ニューマンと、その妻のレスリー・ニューマン。

そしてハリウッドを代表する偉大な監督を父に持つトム・マンキーウィッツ。ベントン以外が続投した『スーパーマンII 冒険篇』も必見の作品で、こちらはリチャード・レスター監督による劇場公開版と、1作目を手掛けたリチャード・ドナー監督が続投した『リチャード・ドナーCUT版』があるので、それぞれ観比べてみるのも楽しいだろう。

そしてDCEU作品からは『ワンダーウーマン』と『シャザム!』の2作品がランクイン。女性だけの島で生まれ育ったプリンセス・ダイアナが、最強の戦士として奮闘する様を描いた『ワンダーウーマン』は、公開時に世界中で社会現象級のメガヒットを記録。

まだ観ていないという方は、続編『ワンダーウーマン1984』(近日公開)を観る前にほかのDCEU作品とあわせて一気にチェックしてほしい。また、突然スーパーヒーローになる力を手に入れた少年の活躍をコメディ色全開で描きだした異色のヒーロー映画『シャザム!』も、2022年に続編の公開が予定されている。

他にも人気アニメシリーズの映画版『ティーン・タイタンズGO! トゥ・ザ・ムービー』や『レゴバットマン・ザ・ムービー』といったアニメ作品、さらにはDCコミックスレーベルの「パラドックス・プレス」から出版されたグラフィックノベルをデヴィッド・クローネンバーグ監督が実写化したバイオレンス映画『ヒストリー・オブ・バイオレンス』も高評価を獲得。王道のヒーロー映画はもちろん、大人向けのダークな作品など幅広いラインナップを擁するDC作品のなかから、お気に入りの一本を探してみてはいかがだろうか。(Movie Walker・文/久保田 和馬)