豊洲市場移転まで3カ月 築地業者の今

豊洲市場移転まで3カ月 築地業者の今

 東京都の築地市場が江東区豊洲に移転するまで、7月11日でちょうど残り3カ月となりました。これまで紆余曲折を経て延期されてきた築地からの移転が迫る中、市場内で働く人はどのような思いなのでしょうか。移転準備が加速している築地の現状を取材しました。

 80年以上の歴史を誇る築地市場は、当初の予定から2年ほど遅れて10月11日に豊洲市場へと移転します。移転に向けて準備が進む市場内で、創業から80年近くウニやカキなどの貝類を中心に扱う仲卸業者「大芳」の3代目、宇田川浩社長は「築地はいい思い出しかない」と振り返り、「もうあと3カ月。できるだけいい状態で移転したい」と話します。宇田川さんは「(豊洲に)冷蔵庫や水槽は既に設置済みで、いつでも稼働できる状態にしてある」としつつ「物流動線がどうなるのか不安といえば不安。ただ、仕事の中身は残り3カ月だろうが残り1日だろうが変わらない。感謝を持って豊洲に行きたい」「激動の昭和を戦い抜いた先輩たちが築き上げた80年の歴史と伝統と文化は、僕たちが継承していかなければ」と話します。

 600を超える業者は10月6日に築地市場で最後の営業を終えた後、一斉に引っ越しを行い、11日の豊洲開場に間に合わせます。

 創業100年を超える老舗業者、マグロ専門の仲卸業者「越虎」の栗原豊社長も「いよいよ近づいてきたという実感はある。(私の代では)市場が動くという前例がないので分からないことだらけ。不安といえば不安」としつつも前を見据えています。栗原さんは「豊洲市場は衛生基準が今の時代に合った施設になるので、築地では対応できない部分が豊洲では対応できる。僕らも豊洲の風評被害を払拭(ふっしょく)できるような活動をしなければいけない」と話します。

 期待と不安を抱える業者たちに対し、東京都の小池知事は7月6日の定例記者会見で「最初はいろいろ苦労が生じてくるかと思うが、できるだけスムーズに、皆さんが安心して使い勝手がいい市場として使ってもらえるよう、対策はしっかりやっていきたい」と述べ、支援を行っていくとしています。

 こうした中、豊洲の開場後も残る築地場外市場で、新たなにぎわいをつくっていこうという取り組みも始まっています。イベントプロデュースなどを手掛けてきた地元企業がオープンした飲食店は、市場移転後も築地場外で仕入れる旬の食材を使い、「築地による築地のための」メニューを提供します。運営するビックウエストの大西裕樹社長は「イベントなどもここを拠点にやっていきたい。一緒に築地を盛り上げられれば」と意気込みます。

 築地で働くさまざまな人の思いを乗せて、いよいよ3カ月後、築地市場は豊洲新市場へ移転となります。

<風評払拭もポイントに>

 豊洲市場は科学的には「安全」とされています。しかし、土壌汚染対策の盛り土がなかった問題による風評被害は今もあり、仲卸業者は「情報発信を通して被害をなくしていきたい」と話しています。また、東京都も風評被害払拭に向け、都民を豊洲市場に招いてどのような施設か案内するイベントを開いています。

 残り3カ月でどこまで安全性をアピールできるのかという点も、円滑な市場移転の大きなポイントの一つとなります。


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