都立雪谷高校の野球部にムードメーカーとして選手を支える3年生でたった1人の女子マネジャーがいます。新型コロナウイルスによる休校期間中は、選手以外の役にも立ちたいと奮闘していました。

 校庭の隅で練習を見守るのは、3年生で唯一の女子マネジャー、小関詩さん(18)です。小関さんは「大変だが、みんなが頑張っている姿を見たら、自分も負けていられない」と語ります。練習を手伝ったり選手が使う道具を磨いたり、3年間チームメートを支えてきました。

 しかし17年ぶりの“夢の舞台”甲子園を目指していたチームは、新型コロナの影響で練習も試合もできない状況に陥りました。それでも「サポートしなければいけない立場なので、自分が落ち込んでいるよりみんなを励ましたい気持ちがあった」と語る小関さん。誰も経験したことがない厳しい状況の中、明るく振る舞うことを心掛けていたといいます。

 そんなマネジャーについて川崎湧空主将は「入学当初から1人で大変だと思うが、小関さんがいないといろいろなことが回らないし、ムードメーカーとしてそこにいるだけで元気になる存在。感謝している。3年間一緒にやってきたので、勝ちで恩返しするしかない。一緒に笑える夏にしたい」と意気込みます。

 小関さんのサポートは野球以外にも広がっています。新型コロナの影響で学校に通えない期間中、他の人の役に立てないかを考えた結果、始めたのが「マスク作り」です。「ニュースで他校のマネジャーがマスクを作っている活動を見て、自分たちもできるんじゃないかと思って後輩に提案したところ、賛同してくれた」といいます。

 ミシンの扱い方や材料不足に悩まされながらもマネジャー5人で力を合わせ、2カ月間で作ったマスクはおよそ300枚になりました。これらは全て寄付する予定です。また、SNSで全国の野球部員にマスク作りを呼び掛け、作り方を動画で紹介しました。

 最後の夏──。多くの人の支えとなった小関さんは「どんな結果でも最後はみんなで笑って終われるよう、最高のパフォーマンスができるように全力でサポートしたい」と話し、持ち前の明るさでチームメートを勇気づけています。