矢継ぎ早に新事業に参入する東電が今度は“スマートホーム”領域へ

矢継ぎ早に新事業に参入する東電が今度は“スマートホーム”領域へ

東京電力の動きがあわただしい。地図大手ゼンリンと手を組んだ「ドローンハイウェイ」構想や、大日本印刷、朝日新聞との共同によるデジタルサイネージなど(いずれも実証実験中)、電力供給以外の分野への進出が加速している。そして次は“スマートホーム”だ。

東京電力によるスマートホームのコンセプトは2種類。「おうちの安心プラン」と「遠くても安心プラン」だ。前者は東京電力エナジーパートナー(EP)とソニーモバイルによるもの。後者は東京電力EP単独によるサービス提供になる。

ザッと両サービスを説明すると、前者はIoTデバイスを用いて家族の帰宅や外出を検知。それをスマホアプリで確認できるというもの。後者は分電盤にエネルギーセンサーを組み込み、遠方で暮らす家族の家電使用状況をスマホに伝えるというサービスだ

イメージとしては“おうちの〜”は、家を留守にしていても、子どもや家族がちゃんと帰宅したのか、あるいはいつ外出したのかをスマホでチェックできる。家族以外の人物によるドアの開閉、つまり犯罪のチェックにも役立ちそうだ。

一方、“遠くても〜”のほうは、離れて暮らす家族の電力使用状況を確認できる。故郷の両親の家電使用状況をモニタリングし、「何かいつもと様子が異なる」と感じたら、TEPCOのスタッフに訪問確認を依頼することも可能だ。

○新事業に参入する東電のねらい

このように、東京電力は本来の役割である電力供給以外のサービスに積極的に進出している。ただ、これらの新規事業にはある特徴がみられる。それは、ほとんどの新規事業でパートナー企業が存在するということ。

たとえば、ドローンハイウェイでは、地図データを豊富に持つゼンリンと組んだ。デジタルサイネージでは、コンテンツ産業である朝日新聞や大日本印刷とタッグ。そして、スマートホーム分野では、スマートフォンの実績で国内屈指のソニーモバイルがパートナーになった。単独での新規事業参入ではなく、その事業に知見のある企業と積極的にコラボしている。

そしてもうひとつ、これらの新規事業では、大がかりなインフラ整備が不要なものが多い。ドローンハイウェイでは、すでにある鉄塔を道しるべにするし、デジタルサイネージでは配電池上機器を活用する。今回のスマートホームは、各家庭にセンサーを取り付けるぐらいで、大がかりなインフラ整備は不要。スマホアプリについても、ソニーモバイルの領分である。

さて、東京電力がこれほど新規事業に積極的になっているのは、“福島への責任”という土台がある。電力供給は、確かに桁違いの売り上げが見込める事業だが、人口減という局面にあり、需要減が容易に想像できる。東京電力が仕掛ける新規事業は、ひとつひとつは小さくても、電力需要減を補うためには重要な役割を果たすかもしれない。福島復興のために、今後どのような新規事業が出てくるのか、注目したい。

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