東証の適時開示情報を基に経営権の異動を伴うM&A案件(グループ内再編を除く)について、ストライク(M&A Online)が集計したところ、2020年1月のIT・ソフトウエア業界のM&A件数は11件で、1月としては2008年以降の13年間では2019年の13件に次ぐ2番目(2008年、2011年と同数)となった。

取引金額は約414億円で、1月としては2008年以降の13年間では2019年の約1221億円に次ぐ2番目となった。取引金額が300億円を超える大型の案件があったため金額が膨らんだ。人材不足や金融緩和による企業の資金調達環境の改善が引き続きIT業界のM&A市場の活況を支えている。

2018年1月以降の月別では、件数は最も多かった2018年9月(21件)の半分程度にとどまったものの、取引金額は前月(約39億円)の10倍以上に膨らみ、2018年1月以降の25カ月では上位から4番目に入った。
○金額トップは豆蔵MBOの344億円

1月のM&Aで取引金額が最も多かったのは、投資ファンドのインテグラル(東京都千代田区)が、傘下企業を通じてシステム構築・開発支援を手がける豆蔵ホールディングスに対するTOB(株式公開買い付け)を実施し非公開化すると発表した案件。MBO(経営陣が参加する買収)の一環で、全株取得を目指すという。買付代金は最大約344億円。

2番目はサン電子がイスラエル子会社を通じて、サイバー攻撃発生時などに電子機器に残されたデジタル証拠を収集・分析するデジタルフォレンジック事業を手がける米ブラックバッグ・テクノロジーズの全株式を取得すると発表した案件。米の有力企業を傘下に取り込み、世界的なリーディングカンパニーとしての地歩を固めるのが狙いで、取引金額は約38億円。

3番目はTISがモバイル決済に関するソフト・サービス開発の米Sequent Software Inc.の持ち株比率を現在の13.1%から61.6%に引き上げ子会社化すると発表した案件。Sequentの持つ技術を取り込み、デジタルウォレット(電子財布)サービス事業を拡大するのが狙い。取引金額は約28億円。

このほかに1億円台が1件、1億円未満が2件あった。さらに金額非公開などが5件あり、
このうちの1件はメルカリがスマホ決済サービスのOrigami(東京都港区)を子会社化す
る案件だった。