三井住友カードは5月7日、同社が保有するキャッシュレスデータを同社のデータ分析支援サービスである「Custella(カステラ)」を用いて集計し、新型コロナウイルスの感染拡大がもたらす消費行動の変化を顧客時間と共同で分析した結果を「コロナ影響下の消費行動レポート」として発表した。

同レポートでは、2020年1月から4月15日までのデータから、キャッシュレス決済状況の全体、業種別、世代別推移に着目して分析した。

決済人数・件数を2019年と2020年の1月から3月で比較すると、2020年はキャッシュレス推進の影響もあり各月とも増加しているが、内容に変化が生じているという。

キャッシュレス推進の影響を排除して前年同月と比較したところ、日本国内にもコロナの影響が徐々に現れ始めた2月は利用人数と件数が前年比でまだ増加しているが、コロナ自粛ムードが顕在化した3月は、利用人数・件数・金額の全てが減少した。

業種別の動向でも、2月はまだ多くの業種が前年同月比で増加しているが、3月はほとんどの業種で減少。このような状況の中で3月に件数も金額もプラスとなった業種は、ホームセンター、スーパー、ペット関連、ECモール・通販、通信サービス、美容品であり、在宅時間の増加に伴う消費の傾向を窺えるという。

2020年3月の業種別決済件数・金額を前年同月と比べた伸び率を見ると、ホームセンターやスーパーなど、生活必需品を取り扱う業種が決済件数・金額共に大きく伸びている。
また、ECモール・通販、ペット関連、通信サービスの伸びは、小中高校などの休校や出社・外出自粛要請などに伴う在宅時間の増加により、いわゆる「巣ごもり消費」という消費行動が窺えるとのこと。

決済件数の増加にかかわらず決済総額が減少した5業種においても、例えばテレワークのために家電量販店でのPC周辺機器、家具・インテリア店舗でのデスクやチェアの購入のように、日々変わる状況下で突発的に準備を要するものを都度、頻度高く来店して購入する(単価も低い)消費行動が想像できるとしている。

決済金額の前年比を世代別で見ると、2020年1月は70代の伸び率が122%と高く、高年齢層も含めキャッシュレス行動の増加が進んでいたが、3月は全世代で減少傾向となった。

高年齢層(60代及び70代)の行動がどのように変わったのかを検証したところ、ECモール・通販のシェアが増加している。

日常的にECモール・通販を利用しているとされる20代や30代よりも、高年齢層における増加幅が大きく、ECモール・通販の増加幅がスーパーを上回っていることからも、高年齢層が自らの身を守るために外出を必要としないECモール・通販を利用する、消費行動の変化が推測できるという。

週間の業種別前年同月比ランキングを見たところ、4月7日の緊急事態宣言以降はさらなる在宅勤務増に伴うテレワーク関連消費と呼べる通信サービスや家電量販店、ECモール・通販の伸長に加えて、玩具・娯楽品の伸びが著しく、買い物の質も変化している。

世代別の決済金額伸長業種ランキングを見ても、玩具・娯楽品が全体及び20代から40代での伸長率が1位となった。

この業種にはゲーム機・ゲームのダウンロード購入・スマホゲームの課金なども含むため、これまでの必需品中心の消費行動から、外出自粛の長期化も視野に入れた家庭での余剰時間を充実して過ごす目的への消費行動変化の現れでもあると同社は見ている。

新型コロナウイルスの影響により経済活動は大きく停滞を余儀なくされているが、決済データを業種別や世代別で分析することで、従来とは異なる顧客の消費行動の変化を知ることができるという。

特に、高年齢層における安全志向重視の行動と考えられるECサイト利用のデジタルシフト傾向も、見逃せない行動の1つだとしてい
る。
この傾向を一過性の変化としてではなく、世代を問わないデジタルシフトの加速と理解すると、ECサイトには 高年齢層にも使いやすい操作性や画面構成・表現の考慮が、これまで以上に必要になると同社は推測する。

また、巣ごもり消費が外出自粛の長期化により必需品から娯楽品へ買い物対象が移り変わっている状況なども含め、刻々と変わる社会情勢と決済データを時系列で追うことは、 コロナ感染期やコロナ感染収束後の消費行動を考える上で、大事な示唆の発見に繋がるとのことだ。