NECは6月26日、オンラインによる記者会見でTwitter上の災害に関する膨大な情報をリアルタイムで解析・可視化するソリューション「高度自然言語処理プラットフォーム」を製品化し、販売を開始した。価格はクラウドサービス利用の場合、1アカウント初期費20万円、月額利用料5万円(システム構築型での提供も予定)〜、4年間で160アカウントの提供を計画している。

NEC 第一都市インフラソリューション事業部 新事業推進グループ 主任の伊熊結以氏は「自然災害や大規模事故などの緊急発生時に公的機関発信される情報は質・量ともに限定的であり、近年ではSNSなどを調査して災害情報を収集している自治体や官庁、一般企業などが増えている。しかし、SNSには正確ではない情報も含まれる場合もある」と指摘。

そのため、新ソリューションはTwitterに投稿された被災状況や避難場所の情報をリアルタイムで収集・解析し、地域の被害状況把握や危機対応に必要な情報を可視化することで、自治体や官庁、一般企業の災害対応に従事する部門での情報収集・整理にかかる作業を省力化するとともに、有事における状況判断や意思決定を支援。

情報通信研究機構(NICT)が開発した自然言語処理エンジンである対災害SNS情報分析システム「DISAANA」、災害状況要約システム「D-SUMM」を基に、総務省の2017年度〜2019年度「IoT/BD/AI 情報通信プラットフォーム」社会実装推進事業の受託者であるアビームコンサルティングが研究開発した成果に加え、NECが独自で機能改良を実施したソフトウェアを搭載している。

伊熊氏は新ソリューションについて「主な特徴は『いち早く被災現場の状況を把握』『事象の発生場所や種類毎ごとに地図上で俯瞰』『情報の重要度を解析し、正確ではない可能性がある投稿を検知』の3点だ」と説明する。

被災現場の状況把握については、次々と投稿されるTwitter上の情報を収集および抽出し、「いつ」「どこで」「どのような事象や被害が発生しているか」をリアルタイムに解析して選択した場所の被害状況を可視化できるため、利用者は情報収集・整理にかかる時間・工数を軽減するという。

地図上での俯瞰に関しては、直感的で分かりやすいインターフェースを採用しており、投稿数の多い地域を時系列に沿って、地域毎や事象の種類毎に地図上に表示し、優先順位や全体最適を考慮した状況判断や意思決定を可能としている。

正確ではない可能性がある投稿の検知では、高度自然言語処理技術に加え、防災関係の語彙辞書や過去の災害情報を基に構築した学習データを用いており、重要度を考慮した情報を利用者へ通知することができることに加え、同一地域と時間帯で矛盾した正確ではない可能性がある投稿を自動で検知することを可能としている。

災害時の検知可能な情報は地震・大雨被害、救助・孤立、道路トラブル、ライフライン、避難所・支援、交通機関トラブル、平時では事件・事故、天候異常トラブル、道路・公共交通トラブル、イベントなどのトラブルとなる。

Twitter Developer and Enterprise Solution アジア地域アライアンス事業リードの後藤和枝氏は「市民と行政がTwitterを介して被災状況をやりとりするなど新しいコミュニケーションに移行しており、最近のトレンドとなっている」と述べた。

同社ではTwitterデータを「パブリック(公共性)」「リアルタイム」「会話」「完全」の4つの軸で定義し、コミュニケーションを図っているという。後藤氏は「新ソリューションはTwitterの可能性と、社会インフラのニーズを組み合わせて、新しい価値を創出できる仕組みとなっている」と説明していた。