鉄道ニュース週報 第165回 「ありがとう夕張支線」廃止前の増便でお別れムード高まる

鉄道ニュース週報 第165回 「ありがとう夕張支線」廃止前の増便でお別れムード高まる

JR北海道の石勝線夕張支線(新夕張〜夕張間)が今月末の運行を最後に廃止される。JR北海道は最後の乗車に訪れる人のために列車を増発。市民有志「ありがとう夕張支線実行委員会」の取組みが乗客たちを迎える。黄色いハンカチの出迎えと見送り、記念カードの配布、週末には夕張市石炭博物館が臨時オープンする。ただ折り返すだけではなく、夕張の旅を楽しもう。線路がなくても、もう一度訪ねたい場所になるかもしれない。

3月16日付の北海道新聞の記事「夕張支線、惜別の増便 ファンの声受け8往復に 3月末廃止、黄色いハンカチで出迎え」によると、この日から運行を開始した3往復の臨時列車と既存の5往復の列車は、通常は気動車1両による単行運転のところ、3両編成に増強されたという。運行時間帯は変わらないけれども、最長約4時間の運行間隔が最短約1時間半に短縮された。

増発された列車は新夕張駅10時7分発・13時5分発・17時0分発、夕張駅11時1分発・14時35分発・17時50分発の3往復。ほとんどの列車は札幌方面または釧路・帯広方面からの特急「スーパーおおぞら」「スーパーとかち」と接続しているため、訪問しやすく、帰りやすくなった。

札幌〜夕張間を列車で往復する場合、夕張駅の滞在時間は最も長い日程で約9時間となる。往路は札幌駅8時54分発の特急「スーパーおおぞら3号」で新夕張駅に10時1分着。新夕張駅10時7分発の臨時列車に乗り換え、夕張駅に10時36分に着く。復路は夕張駅19時28分発の定期列車に乗り、新夕張駅に19時53分着。新夕張駅21時5分発の特急「スーパーとかち10号」に乗って、札幌駅に22時15分に到着する。

札幌駅起点で「青春18きっぷ」を使って訪問する場合、札幌駅10時5分発の快速「エアポート100号」で千歳駅へ。往路は千歳駅10時38分発の普通列車で新夕張駅に11時56分着。約1時間後、新夕張駅13時5分発の定期列車で夕張駅に13時34分着。復路は夕張駅17時50分発の臨時列車で新夕張駅18時15分着。新夕張駅18時35分発の普通列車で千歳駅19時33分着。快速「エアポート185号」に乗り継いで、札幌駅に19時32分に到着する。この場合の夕張駅の滞在時間は約4時間。東京から航空機を利用し、日帰りすることもできる。

最終運行日の3月31日、夕張駅19時28分発の最終列車は苫小牧駅まで延長運転するという。この最終列車は現在も石勝線の本線に乗り入れる追分行として運行され、追分駅から室蘭本線経由で苫小牧駅へ回送されている。この列車を旅客扱いすることになる。普段乗れない回送列車のダイヤを利用できるという意味でも興味深い。JR北海道の報道資料では、「追分〜苫小牧間の臨時列車」と記されていたけれど、3月12日付の北海道新聞の記事「最終列車、苫小牧まで延長運転 31日廃止の夕張支線 乗客の利便性に配慮」の中で、「臨時列車として延長運転」と紹介されている。宿泊施設の多い苫小牧まで行けるため、便利だ。

夕張支線沿線では、市民有志の「ありがとう夕張支線実行委員会」が夕張支線への感謝とお別れを記念するイベントを開催してきた。2018年8月から各駅で写真パネルを展示。夕張支線の歴史や各駅の四季の風景を紹介している。沼ノ沢駅と夕張駅では、漫画家の松本零士氏が制作したポスター「126年の歴史に幕 夕張の鉄路にありがとう」も掲示されている。メーテルと銀河鉄道スリーナインの組み合わせ、なにかの絵の流用かと思ったら、スリーナイン号ではなく、夕張炭鉱の貨物列車が描かれている。心に染みる絵だ。

2018年12月15日から、JR北海道の協力により「JR記念カード」が配布されている。夕張駅で販売されている「わがまちご当地入場券」とほぼ同じ大きさ、特別デザインのカードで、沼ノ沢駅・南清水沢駅・清水沢駅・鹿ノ谷駅の4枚1セット。取扱施設一覧の対象施設で、食事または買い物など、700円以上の利用で1セットをプレゼントしている。

十分な数を用意していると言うけれども、新夕張駅・夕張駅付近は多くの人々が訪れるため、運行終了前に品切れになるかもしれない。「ありがとう夕張支線実行委員会」によると、配布場所は下表の通り。各店舗の定休日に注意が必要だ。

ホテルマウントレースイでは、コレクションカードと夕張市内の「わがまちご当地入場券」を収納するコレクション台紙を1,000円(税込み)で販売中。ただし、この1,000円はカード配布条件の「700円以上の利用」にはカウントされないとのこと。

その他、現在は冬期休館中の「夕張市石炭博物館」にて、夕張支線の廃線前増便に合わせ、3月23・24・30・31日に臨時開館する。開館時間は通常より短縮され、11時から15時30分まで。入場は15時までとなっている。

夕張支線の列車は3月16日以降、市民団体がデザインしたサボ(行先表示板)を掲出中。3月29日からは「ありがとう夕張支線」と描かれたヘッドマークを装着する。最終運行日の3月31日は、夕張駅14時35分発の列車に合わせてJR北海道の社長も出席するお別れセレモニーが開催されるほか、夕張駅周辺で弁当・鉄道グッズの販売、コーンスープの配布などが行われる。最終列車は黄色いハンカチを振るなどの見送りイベントを開催する。

ちなみに、「黄色いハンカチ」の由来となった映画『幸福の黄色いハンカチ』は夕張市で撮影された。主演は高倉健。他に武田鉄矢、桃井かおり、倍賞千恵子、渥美清らが出演していた。撮影を記念した施設「幸福の黄色いハンカチ想い出ひろば」は鹿ノ谷〜清水沢間にある。ただし、現在は冬期休業中で、再開は4月28日から。夕張支線の廃線跡めぐりの際に立ち寄ってみたい。

「夕張市石炭博物館」のSL館は夕張の炭鉱と街を支えた蒸気機関車をはじめ、鉄道に関する保存資料も多い。しかし、現在はバスツアーなどの限定公開となっている。SL館の今後も含めて、夕張支線廃線後の線路跡地がどうなるか、気になるところだ。


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