普通、自宅にこもりがちライターな筆者だが、それでも出先で仕事をする機会はそこそこあったりする。特に1泊以上の遠出の際などに悩ましいのがデジタルデバイスの充電環境だ。幸い、今や多くの機器がUSB充電に対応したことで、USB充電器とUSBケーブルさえ持ち運べばよい時代になった。ACアダプタの時代のように、特定の組み合わせが必要だったり、出先での入手が難しかったりということも減ってきた。

とはいえ、今度はUSB充電対応の機器が増えすぎて、USB充電器の端子が最低でも3〜4ポートは必要という事態になってきた。荷物を減らしたいのに充電器をいくつも持っていくのでは本末転倒だ。そこで今回、年末年始もあって長期で遠出する機会が続いた筆者が、その時に実際に構築してみたUSB充電環境をご紹介したい。
○USB PD対応「マルチポートUSB充電器」が充電器地獄を解消

今やUSB充電対応の機器はそこら中にあふれている。スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、デジタルカメラ、アクションカメラ、携帯ゲーム機、加熱式タバコ……etc。職場だろうと家庭内だろうと、挙げはじめればきりがない。ふと気づくと、次の写真のようなごちゃっとした状態に陥ってはいないだろうか。

多くの機器は買ったときにUSB充電器が同梱されていると思うが、それらは一般的に1ポートの小型のものだろう。スマートフォンのように毎日充電しなければならないデバイスだけでなく、必要な時にだけ充電すればいいデバイスもあるので、普段であれば充電のやりくりはなんとかなる。それがいざ出張前のような時、必要なすべてのデバイスをまとめて充電したいような場合は大変だ。それに出張が1泊以上で現地でも充電が必要な場合には、これらすべての専用USB充電器を持っていくことになりかねない。

そこでマルチポートUSB充電器の出番になる。マルチポートUSB充電器は1台に複数のUSBポートがあり、一度に複数台のデバイスを同時に充電できて便利だ。目新しいものではないが、ふと手元のマルチポートUSB充電器に目をやると、「USB Type-A」端子のものではないだろうか。USB充電対応機器がすべてType-Aの時代はこれで対応できていたが、時代は変わり、ここにきて新しいUSB充電規格「UDB PD」(USB Power Delivery)が登場してきた。端子の形状も「USB Type-C」あるいは「USB C」などと呼ばれるものに変わり、上下の向きを選ばないリバーシブル設計のおかげで随分と便利になった。

充電規格としてのUSB PDは電力供給がより自由度を増し、電圧は5/9/15/20Vが利用でき、最大出力は100Wまでサポートされる。USB PDでは、これまでのType-Aケーブルではなく、Type-Cケーブルの新調が必要になる場合が一般的だが、大電力が供給できることから、小型携帯デバイスだけでなく大型高性能なタブレットやモバイルノートPCなどでも採用が加速している。しかも、例えばUSB PD対応のモバイルノートPCなら、メーカー標準添付のUSB PD充電器だけでなく、必要な電力スペックさえあえば、他社のUSB PD充電器でも充電できる。一昔前のACアダプタと違い、万が一、充電器を忘れて出掛けてしまったとしても、USB PD充電器は家電量販店などで簡単に入手可能なのだ。筆者もこの点には大いに助かっている。

マルチポートUSB充電器の話しに戻ると、ちなみに市場ではUSB PD充電器はまだシングルポートのものがほとんどだ。シングルポートのUSB Type-C&複数ポートのType-Aという合わせ技マルチポートUSB充電器を中心に増えつつあるが、トータルの出力が18Wや30W、45Wまでなど小さいものが多く、充電に何十Wも欲しいモバイルノートPC用としては不足がある。そもそも筆者のようにUSB PDデバイスを積極的に取り入れていると、USB PDポートが1つでは足りない。USB PDポートが複数、それも大出力となると数限られた選択肢しかなく、やっと製品を見つけても高価で手が出しづらかったりした。

そんな時に見つけたのがアーキサイトのトラベルグッズブランド、「MOBO」の新製品「Dual USB-C MultiPort USB AC Adapter」だ。

まずUSB PDに対応するType-C端子が2ポート(60W+30W)、従来のUSB Type-A端子が2ポートある。兄弟モデルの「USB C PD87W MultiPort USB AC Adapter」という製品もあり、こちらはUSB PDが1ポート(87W)とUSB Type-Aが3ポートなので、モバイルノートPCが高性能なので電力が欲しい、例えばMacBook Proのように90W級の製品を運用している場合に向いている。

Dual USB-CもUSB C PD87Wも、Type-C&Type-A合わせて4つのデバイスを充電できるとともに、コンセントは1つしか消費しない。充電ステーションとなりがちな机周りを1台でスッキリまとめられる。出張先のホテルのコンセントにマルチタップを繋いで、3つも4つもシングルポートのUSB充電器を使っていた環境からようやくおさらばだ。

今回、実際に遠出の折々に携行したUSB Type-A/USB PD充電対応機器は、モバイルノートPC×2台にスマートフォンと加熱式タバコという、計4台がメイン。ほかにもいくつかUSB充電機器を持っていったことがあったが、そんな時はノートPCにUSB端子があるので、同時充電数は意外と簡単に増やすこともできた。

Dual USB-Cの60W+30Wという組み合わせだが、筆者のモバイルノートPCは1台目が45〜60W(つまり30W超)のLenovo ThinkPad X1 Carbon、2台目が30W以下で充電できるGPD P2 Maxの組み合わせなので出力はちょうどよかった。いまのところ、これより大容量の充電器は珍しいと思うので、メインとサブの2台体制でノートPCを運用する方は、サブ側をできるだけ消費電力の少ないモデルにしたほうが現状はベターだろうと思う。

今回はUSB Type-A充電デバイスもくつかあるので、すべてのデバイスをMAX充電しようとすれば計算上では合計上限の90Wを超えてしまう。とはいえ、USB充電機器でもインテリジェントなものは、出力が足りなければ、充電に順序を設けたり供給電力を少しずつ抑えたりする機能を備えている。また、例えば45Wを要求するデバイスだとしても、USB充電器側から30W程度の供給があれば通常よりも時間がかかるがじわじわと充電してくれるという場合もある。さすがにノートPCを使いながら充電してみると、充電よりも消費のほうが早くなっていたが、就寝時の充電などであれば十分だろう。合計容量は、実はそこまでシビアに捉える必要はないのかもしれない。

○コレはUSB充電時代の必須アイテムだと思うよ!

コストに関しては、1万円はしないが8,000円程度かかる。今回筆者が導入したUSB C PD87W MultiPort USB AC Adapterもそのくらいの実勢価格だ。いちおう1ポートずつ充電器を購入するよりは安いのだが、USB充電器として見れば高額に感じられるかもしれない。

ただ、やっぱりマルチポート充電器はとても便利で、特にこれからの時代はUSB PD対応であることが必須だと思う。普段、卓上やタップをスッキリさせることはもちろん、出先でも荷物と必要コンセント口を最小限にできる。少なくと筆者はお値段以上の満足感が得られたので、おすすめですよ!