ToFはTime of Flight(飛行時間)の略で、発した信号が対象物に反射して返ってくるまでの時間をもとに距離を計測することを意味します。その機能を持つ装置「ToFセンサー」は、各社各様の方式がありますが、レーザーなどの光または光に近い超音波を数回発射し、被写体に反射して戻ってくるまでの時間(位相遅延)を距離に換算する機能は共通です。

従来のToFセンサーでは微弱な光信号の検知が難しく、10メートルを超えるような被写体距離の測定は苦手とされてきましたが、1メートル以内の近距離を含め高精度な距離画像を取得できるチップが登場しています。距離画像を1秒あたり数十枚という高いフレームレートで撮影できれば、被写体に動きがある場合でも距離画像の歪みを抑えられることから、いわゆるジェスチャーなど人の動きの認識制度も向上しています。

ToFセンサーの一種である「ToF方式距離画像センサー」は、光を照射して画素ごとに距離情報を検出し、奥行き情報を画素の濃淡で表現した距離画像(Depth Image)として撮影します。距離画像を分析すれば3次元で被写体認識ができることから、カメラにどのような被写体が映っているか調べたり、特定範囲内への物体の侵入を検知したりすることが可能になります。

これらの特性と機能向上により、ToF方式距離画像センサーは仮想現実(VR)や拡張現実(AR)での活用が期待されています。スマートフォンに搭載した場合、顔認証の精度向上も期待できるため、今後登場する製品にはToFセンサーを組み込んだ「ToFカメラ」の採用が見込まれています。

2020年3月に発売された「Xperia 1 II」のリアカメラには、ToFセンサー(3D iToFセンサー)が採用されました。暗い場所でも物体を立体的に検知しオートフォーカス性能を高めるという、カメラ性能の向上に一役買っています。