JR東海は25日、超電導リニアの改良型試験車を報道関係者らに公開した。中央新幹線品川〜名古屋間開業を前に、リニア営業車両の仕様策定に向け、山梨リニア実験線で走行試験を実施してきたL0系をさらにブラッシュアップさせた車両となる。

改良型試験車は先頭車・中間車を1両ずつ製作し、このほど日立製作所が製作した先頭車(L22-951)が完成。報道公開では、改良型試験車の特徴でもある「誘導集電方式の全面採用」「先頭形状の最適化」に関する説明が行われた。

既存のL0系では、灯油を使用して車内用の電気(照明・空調など)を発電するガスタービン発電装置を搭載し、先頭車の屋根に排気口を設けていたが、改良型試験車では電磁誘導の作用を利用し、車内用の電気を非接触で供給する「誘導集電方式」を全面的を採用。ガスタービン発電装置が非搭載となったことを前提に、走行試験で得られた結果をもとに先頭形状を最適化している。

先頭部の長さは約15mでL0系とほぼ同じだが、改良型試験車では先頭部の凹凸を際立たせ、先端部は丸みを帯びた形状を採用した。これにより、L0系と比べて先頭部の空気抵抗を約13%下げ、消費電力や車外騒音の低減を図るという。

L0系では前照灯と前方視認用カメラを先頭部に取り付けていたが、改良型試験車では位置を変更。従来の新幹線車両の運転台にあたる位置に前照灯・カメラを搭載し、前方の視認性を向上させた。改良型試験車のカラーリングは、既存のL0系と同様の配色(白地に青のライン)としつつ、進化し続ける躍動感と新たな先頭形状による滑らかな空気の流れを青の流線デザインで表現している。車体側面にL0系のロゴも掲出した。

今回公開された先頭車1両は3月下旬に日立製作所の工場から搬出される予定。中間車1両は日本車両により製作される。改良型試験車の山梨リニア実験線への搬入は4月上旬とされ、既存のL0系との編成組成および機能調整試験を経て、5月末頃から本線走行試験を開始する計画となっている。投入直後はL0系5両に改良型試験車2両を組み合わせた7両編成で運用するとのこと。営業線車両の仕様策定に向け、快適性・居住性向上のための走行試験を実施する。