広報おおたま(福島県大玉村)

2020年11月号

-花たちのおいたち-128
箱崎美義著

■127つづき
コメ(米)不作、不足、救った、かぼちゃ
古来より大和瑞穂国、日本とは言え、自然力、天変地変によるコメ不作、不足や戦争などでコメ統制、配給の騒動などが何年となく続いた。今から50年以前代、戦前戦後、昭和30年代まで日本中が満足な米飯食が出来なかった。貧乏辛さの記憶が未だによみがえってくる。どこの田んぼにも、農家にさえコメ無く、そしてコメが現金扱いされた正に哀れな食糧難時代だった。このコメ不作、不足を救った救荒作物が麦類、そば、さつまいも、かぼちゃなどだった。鍬、鎌などだけで田、畑の重労働、作業時のごじゅうはん(小昼飯)、また夕飯が、かぼちゃ、さつまいもだけで済ます日々も決して少なくなかった。日本中、老若男女とわずいつも空腹をかかえながら、よくぞ重労働の農作業などに耐え、成し遂げて来たものだと今さらふり返ると、とても感慨深い。こんな前世代だったのに、現代の贅沢三昧づくしの日常生活ができることなど唯一人として想像できただろうか。願わくは、いつの時代になっても日本一美しい大玉村の先祖からのかけがえのない貴重な田、畑、いぐね、山、川など遺産、資産、財産である大玉村全べてをこれ以上、転換、進転することなく、かぼちゃなど栽培が絶えることのないことを願って止まない。濃い色と食味をもつ緑黄色野菜のかぼちゃ料理、用途は広い。その例として(1)直煮つけ(2)スープ(3)コロッケ(4)天ぷら(5)そぼろ(6)ポタージュ(7)サラダ(8)乾燥野菜(9)冷凍野菜などがある。食物栄養価を日本かぼちゃについてあげてみた。日本かぼちゃの茹でた果実100g当たりエネルギー60kcal、水分84.0g、たんぱく質1.9g、脂質0.1g、炭水化物13.3g、カリウム480mg、鉄0.6mg、β-カロテン830μg、ビタミンC16mgなどである。

■(64)しそ(紫蘇、シソ)
紫蘇の花咲けりともわが思はぬに土にこぼるるむらさきの花 吉植庄亮
紫蘇の実をしごける指のかおりかな 兵衛
走り出て紫蘇一二枚かきにけり 風生

■しその生れ育ち
しそは、今から2400年以前代、紀元前4世紀以前に中国南西部ヒマラヤからミャンマー連邦共和国(ビルマ)などの山野に世界初めて生れ育った。日本には、紀元前400年以前代に中国から渡り入って来た。古くは、日本の縄文時代の遺跡から、しその種子が、なぜか発芽力をもって出土し栽培調査から、しそであることが確認された。

■しその本名、別な呼び方のゆらい
しその本名は、紫蘇、しそ、シソである。別な呼び名は、蘇、桂荏(けいにん)、ちそ、野(の)(乃)良荏(らえ)、似奴衣(いぬえ)などがある。(つづく)

※箱崎美義氏の「崎」の正式表記はたつさきです。