広報紀の川(和歌山県紀の川市)

令和3年1月号

●健康づくりの担い手として
地域でのフレイルチェックのサポートや普及に精力的に取り組んでいるのが、フレイルサポーター(以下「サポーター」)のみなさんです。サポーターは、養成講座を受講した後、活動のシンボルである黄緑色のTシャツに身を包み、フレイルチェックの進行や機器を使った測定、結果の振り返りなどを行います。
市では、市民からの働きかけにより、平成29年2月に第1回サポーター養成講座を開講。受講者9人が中心となり、同年10月から本格的にフレイルチェックのサポートを開始しました。同じ年代の人がサポートする和やかな雰囲気が好評で、地域の体操拠点などへ出向いて活動を続けるうちに口コミで広がり、約1年で116人のサポーターが集まりました。
「地域に貢献できて、気楽にやりがいのある活動がしたい」「定年を迎えて時間に余裕ができた」など、サポーターとなった人たちの思いは人それぞれです。
また、定期開催する連絡会では、チェックの精度向上のためのマニュアル作成や、分かりやすく説明するための紙芝居作りなど、チェックに関連した活発な意見が飛び出し、そのアイデアはサポーター同士の協力により、次々と実現されていきました。
結成から約4年。今やサポーターは、市民のフレイル予防を支える健康づくりの担い手として、欠かせない存在となっています。

●広がる活動の輪
サポーターは、フレイルチェックのほかに、地域貢献活動を行うため、平成30年2月、「ウォーキング部会」「Tシャツ部会」「社会参加部会」「紙芝居部会」「研修部会」の5つの部会を立ち上げました。おそろいのTシャツやバッグの製作、ウォーキングスポットを一覧にまとめたマップの作成や健康に関する勉強会の開催など、その活動の幅は多岐にわたります。
サポーターにとって、部会はコミュニケーションの場となっているだけでなく、自分がこれまで培ってきた経験や特技を生かせたり、興味のあることに取り組める場にもなっています。そのため、部会の活動は常に活気に満ち溢れ、始終笑いが絶えません。また、フレイル予防活動を通して社会参加することで、サポーター自らの健康寿命の延伸にもつながっています。

●全国初のNPO法人を設立
活動を続けるうちに、市民ボランティア団体として活躍の幅を広げていきたいという思いが高まり、フレイルサポーターとして全国初となる法人化を決意。令和2年10月、「NPO法人フレイルサポート紀の川」を設立しました。
「新しい人にも、もっと気軽に参加してもらって、サポーター活動をどんどん活性化していきたい」と意気込むのは、理事長の畠中美文さん(69)。法人化したことで、健康づくりを通したまちづくりに興味を持つ人が、より気軽に活動に参加できるようになったといいます。フレイルサポート紀の川では、打田駅前に活動拠点を設け、年度ごとに目標を定めることで、今まで以上に積極的な活動に踏み出しました。

●コロナ禍の今だからこそ
順調に活動の輪を広げていたサポーターですが、新型コロナウイルスの影響により、フレイルチェックの開催がストップしています。「自宅で過ごす時間が増え、フレイルへの危機感を感じています」と話すサポーターも。この状況を改善しようとサポーターたちは、自宅でできる体操やフレイル予防飯の普及など、今だからこそ取り組むべき活動に力を入れ始めました。

◆紀の川市のサポーター活動は全国一番!多くの人にフレイル予防のメッセージを伝えて欲しい
・東京大学高齢社会総合研究機構 機構長 未来ビジョン研究センター教授 飯島勝矢氏
健康長寿の実現には「フレイル予防」が鍵であり、そのためには「栄養(食と口腔)・運動・社会参加」の3つの柱が重要になります。それを唱えていくために、地域高齢者のフレイルサポーターによりフレイルチェック活動が実施されており、現在全国の多くの自治体で展開されています。
地域での集いの場を「気づきの場」に変え、個々人の日常生活を工夫していくことにより、早めからのフレイル予防を実現するのです。
紀の川市のフレイルサポーター活動は全国一番でしょう。自分たちでしっかりと学び、そして考え、クラブ活動のようにみんなで盛り上がりながら、非常に楽しい場を提供してくれています。しかも、きっちりと参加住民に熱いメッセージを送り、仲間を増やしてくれています。
また、紀の川市のフレイルサポーターのみなさんには「西の横綱」として、みなさんの独自性などもどんどん盛り込み、紀の川市ならではの表現形と演出により「フレイル予防のためのメッセージ」を多くの住民に伝えて欲しいと願っています。住民は多様ですので、意識変容や行動変容においても、多様な選択肢を提供してください。
そして、チェックの場に来なくなってしまった人や集う場にはあまり興味を持っていない人々に対しても、みなさんの力で少しずつ手を伸ばしていってもらえれば嬉しく思います。