町報こうふ(鳥取県江府町)

2021年1月号

■新庁舎の特色は
遠藤:それでこんなにも素敵な庁舎が出来て、住民のみなさんも喜んでおられると思いますけども、この新庁舎の特色をおしえてください。
白石:そうですね、この庁舎の構想をつくっていくにあたりましては、住民のみなさんに声をかけてワークショップをやったんですね。その中で、「ここ(2階議場兼多目的室)から見える大山、日野川の眺望を活かしてほしい」という話がひとつありました。また、住んでいる自分たちが自由に集まれるようなスペースにしてほしい、たとえばカフェをやったりですとか、そういった声が出てきました。ですので、そういったところを組み入れたというところですね。以前の庁舎はかなり古くて狭かったですが一新され、駐車場もかなり広くなりましたし、ロビーもすごく広くなりました。以前は玄関から入ったらすぐにカウンターでしたが、新庁舎では待合が広々としていて、キッズスペースであるとか授乳室もできました。また、待合にはテレビがありますし、カウンターも低くなりイスに座って書類を書くこともできます。さらに、館内全体が無料Wi‒Fiになっておりますので、これも今までになかった特徴です。他にも個別室があったりしてプライバシーの配慮もし、ワンストップ窓口にもなっていたりもします。いっぺんに60年ぶりに最新になった感じですね。
遠藤:本当に住民が使える庁舎になったんですね。
白石:本当、そこは配慮したといいますか、声を聴いたところですね。それには、議員のみなさんのご理解も得ました。少し(話は)長くはなりますが、一番の(広い)スペースというのがこの議場兼多目的室なんですね。議会をされていない時には、全部を町民の方々が使えますし、例えば議会をやっている期間であっても、空いているスペースは自由に使っていただけます。これがやはり、一番特徴のあるところだと思います。
遠藤:そうですよね、議場ってなかなか入りにくいイメージがあったんですけれども、そこを公の場というか広く使えるようにされたのは素敵だなと思います。全国的にみて珍しいのでしょうか。
白石:珍しいと思いますね。普通は(議場を)固定して立派なものにして。どこかの市ではこだわっておられた議会もありましたが、それと比べると、とても(議会の)理解があったと思います。
遠藤:では上原さん、特色というのは何でしょうか。
上原:今、町長が言われたように「議場を作らない」庁舎ということで、我々(議員)は全国に視察に行きました。「議場をもたない」、「オープンスペースで」、「議員も町長も同じフロアでひな壇のない」、しかも「普段は多目的でみんなが使える」というような庁舎というのは、鳥取県ではたぶん初めてだと思います。全国でも、まだそんなに数は少ない。ただ、(他自治体で)小さい町でやっているところがありましたので、「議場のない庁舎でいこう」と議員全員が財政の事もよく考えて、かなり協力したという意識はあります。ですから、大山が見えて、議場がフラットな場所でやっているのを見ていただければ、「開かれた議会」、ないしは「住民さんへここへ来てくださいね」というのが伝わるのではないかと期待しています。
遠藤:すごくスマートでコンパクトシティならではの発想による特徴ですね。
上原:そうですね、「ムダを省く」といいますか「華美はしない」という、町長や我々(議員)の意向もあり、それがうまくいったなと思います。
遠藤:長岡さんはいかがでしょうか。
長岡:晴れたら奥大山が望める(というのが一番の特色ですね)。たくさん意見はありましたが、なかなか実行できたのは少なかったかもしれません。庁舎の位置も当初(の計画)は、もっとむこうで、そこからだと(大山が)見えないんじゃないかと、じわじわと国道の方に移っていきました。設計事務所も(そこは)苦心してくれたと思います。それから、先ほど議長が言われたように、議会棟もない、議場も多目的室と兼用というような使い方をして経費削減にも貢献しているんじゃないかと思います。それは、議長も言われましたけど、建てる前年に早川町(山梨県)へ視察に行ったり、時限立法が出来てからは秋田県八峰町へ視察に行って、先進事例をみることができて、「今さら議場を作るだ?」というのは議員全員が「なくていい」と思われたと思います。机も他町(伯耆町)の中古で我慢をして(使って)いるというか、とにかく経費削減の貢献をうちの議会は非常にしていると思います。
町長:ちょっと補足しますと、実は経費削減のお話が出ましたけれども、こういうオープンスペースにすると、いくらか有利な条件の補助を受けられるということもあったので、(議会が)そういう面の貢献をされているところもあります。
上原:ちょっと補足しますが(笑)。普通のひな壇のある議場を作ると、だいたい1億円かかるといわれています。ですから、町長が言われた補助金の関係、そして、実際にそういうものを作らない経費をトータルすると、1億円以上(になります)。ですので、(庁舎の)建物の建設費が10億ぐらいですから、そのうち1億ぐらい浮かせるというのは、「結構頑張ったな」と思いますね。ぜひ、そのあたりは住民のみなさんにご理解いただければと思います。
遠藤:これからはこういった議場が増えていくかもしれませんね。
白石:なおかつ、(傍聴席の後ろのほうから)お茶でも飲みながら議会を見せられたら、「どこにもない開かれた議会」になると思いますね。
上原:机の並べ方や高さなどは、全部(議員)みなさんに納得してもらっていますので大丈夫です。