広報おおむら(長崎県大村市)

2020年11月号(No.1495)

◆「糖尿病」って、どんな病気?
糖尿病は、膵臓(すいぞう)から分泌される、血糖を下げる働きのある「インスリン」というホルモンが効きにくい、もしくは、分泌が低下しているため、血液中のブドウ糖が増えすぎて、高血糖が継続する病気です。
高血糖が長期間継続すると、さまざまな合併症を引き起こします。

(1)早朝空腹時血糖値126mg/dL以上、(2)75g経口ブドウ糖負荷試験で2時間値200mg/dL以上、(3)随時血糖値200mg/dL以上、(4)HbA1c6.5%以上のいずれかが確認された場合は、「糖尿病型」と判定されます。
※糖尿病には、「1型糖尿病」と「2型糖尿病」があります。今号では、糖尿病の中で多くみられ、肥満・運動不足・ストレスなどの生活習慣がきっかけで発症する「2型糖尿病」を取り上げています。

Q.糖尿病になると、どんな症状が出るの?
A.症状が出ないことがほとんどですが、かなり進行すると、のどが渇く、水分をたくさん摂取するようになる、尿量が多くなる、体重が減る、倦怠感などの症状が出ます。

Q.糖尿病の原因は?
A.インスリンの分泌低下やインスリン抵抗性を引き起こす複数の「遺伝因子」に、過食(特に高脂肪食)や運動不足などの生活習慣と、その結果としての肥満が「環境因子」として加わり、糖尿病を発症します。

Q.糖尿病の治療方法は?
A.食事療法、運動療法、薬物療法があります。
通常、まず、食事療法と運動療法で血糖値の改善を図ります。それでも改善がみられない場合には、薬物療法を追加していきます。

Q.合併症にはどのような病気があるの?
A.神経障害(足のしびれなど)、網膜症(視力障害)、腎症(腎機能障害が進行すると透析が必要になることもある)、や冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)、脳血管障害(脳出血や脳梗塞)、末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)、歯周病など、全身にわたりさまざまな合併症があります。

Q.糖尿病に効果的な食事は?
A.
(1)腹八分目にする。
(2)食材の種類をできるだけ多くする。
(3)動物性脂肪は控えめにする。
(4)食物繊維が豊富な食材(野菜、海藻、キノコなど)を摂る。
(5)朝食・昼食・夕食を規則正しく食べる。
(6)ゆっくり、よく噛んで食べる。
(7)単純糖質を多く含む食品(お菓子や清涼飲料水など)の間食を避ける。

池岡 俊幸先生
長崎医療センター 内分泌・代謝内科 医長
糖尿病学会専門医・指導医

◆糖尿病なんて、自分には関係ない?が糖尿病に!(予備軍含む)
Q.糖尿病を予防するには?
A.まず、自身の血糖値を知ること。つまり、毎年、健康診断を受けることが大切です。早い段階で糖尿病を見つけて治療することができれば、合併症の発症を予防することが可能です。健康診断で異常が見つかった場合は、放置せずに受診しましょう。
適切な食事・運動・睡眠、肥満の予防・是正により、糖尿病の発症を予防することができます。保健指導を受けたり、生活習慣を見直すことも大切です。

Q.食事のポイントは?
A.食物繊維を多く含む野菜などを先に食べることで、食後血糖の上昇を抑制し、HbA1c(過去1~2カ月間の平均血糖値)を低下させ、体重も減少させるとの報告があります。野菜に限らず、タンパク質などの主菜を先に摂取し、その後に主食の炭水化物を食べると、食後の血糖上昇が抑制されます。

▽血液5リットルの中に、これだけの砂糖が含まれているんだって!
・糖尿病でない人
(例)平均血糖±血糖変動 100±9
スティックシュガー3g×1.6本分

・糖尿病患者
(例)平均血糖±血糖変動 263±19
スティックシュガー3g×4.5本分

出典:糖尿病ケア2019 vol.16 no.7(P.7)

Q.運動療法はどのように行うの?
A.
(1)有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)を、「楽である」または「ややきつい」と感じる強度で、週に150分かそれ以上、運動をしない日が2日間以上続かないように行いましょう。
(2)レジスタンス運動(筋力トレーニングなど)を、連続しない日程で週に2~3回行うと効果的です。また、エレベーターを使わずに階段を使う、駐車場では遠くに車を停めて歩くなど、工夫して運動量を増やすことも大切です。

▽適度な運動は、糖尿病予防以外にも効果的!
運動の効果
・心肺機能の向上
・血圧低下作用
・動脈硬化の抑制
・がんの抑制
・認知症の予防
・筋力低下予防 など

◆11月14日は「世界糖尿病デー」
11月1日(日)~11月15日(日)の期間中、大村公園の板敷櫓を、糖尿病啓発のシンボルカラーである、青色にライトアップします。
これをきっかけに、自分や家族の健康のため、食事や運動について考えてみましょう。

[参考図書]
(1)日本糖尿病学会,糖尿病治療ガイド 2020-2021,文光堂
(2)日本糖尿病学会,糖尿病診療ガイドライン 2019,南江堂
(3)糖尿病教室QandA,金沢医科大学出版局

→国保けんこう課
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