広報たけた(大分県竹田市)

2020年11月 NO.188

竹田市には、市町合併により増加した遊休資産や、老朽化した公共施設が多数存在します。これらの活用方法を考えるために、10月7日、8日の2日間にわたって「公共不動産サウンディングツアー」を行いました。大学、不動産関係者など16人が市内8か所の施設を回り、どのような活用ができるか意見を交換しました

ツアースケジュール:

※特定の施設のみの見学を含めると、約30人が参加しました。

■旧南山荘
平成28年3月まで養護老人ホームとして使用していましたが、約3年半、無人の状態が続いています。建物、敷地が広く、厨房もあることから「利用の可能性は幅広い」という意見がある一方、部分的な活用であったとしても改修、解体費がかかるため、物件取得費が安くないと事業展開しづらいとの声が多く上がりました。

■旧辻邸
築90年の古民家で、アーティストの交流・滞在拠点として運用できる仕組みを探っています。
建物の趣や立地の良さに可能性を感じる方が多く、居住しながら改修・運営を行うといったアイデアが目立ちました。
一方、アートの縛りがあると事業として限定的になるため、運営に自由度が欲しいといった要望が大半でした。

■ドイツ村簡易宿泊施設
社会教育施設として平成6年に直入町が設置。スポーツ合宿、吹奏楽部の強化合宿などに使用されていますが、利用者数は伸び悩んでおり、収入と維持経費の収支バランスが課題です。
周辺環境は良いものの、社会教育施設としての制限により、使用料が安いことや個人利用ができないことなどが民間参入の課題としてあげられました。

■神の里交流センター「緒環」and神原キャンプ場
いずれの施設も、地元住民の皆さんによって大切に維持管理されているため、痛みが少なくよい状態です。「緒環」は高齢化による担い手不足、長期的な運営が課題です。
現在は営業を休止している神原キャンプ場の見学は、天候不良にも関わらず「雰囲気がよくワクワクした」、「バンガローの形が独特で面白い」など、今回のツアー最大の盛り上がりでした。ノウハウを持つ人材と地域住民が連携しながら、山登りや釣りなどのアクティビティとの連携、移動手段の魅力化など、ソフトを含めた個性的な更新を行うことで、「ここに来る目的」をつくり、エリアとしての魅力を向上させていくポテンシャルがあるといった前向きな意見が多数出ました。

■ツアーの狙いと背景
全国の自治体では、高度経済成長期に整備した施設が一斉に老朽化することで、近い将来、大規模修繕や更新等が必要となり、多額の維持管理費が発生すると見込まれています。
市では、合併前の旧1市3町が、合併する以前からそれぞれの市町で保有していた施設を引き続き使用しており、同じ時期に建設した類似施設が多数存在しています。現在、市内には公共施設が309か所(令和2年3月末時点)あり、これらすべての施設を維持しようとすると、年間平均26億円程度必要になる見込みです。
市は、限られた財源のもと、人口減少により変化していく需要に対応した再配置を進めていくため、平成28年2月に「公共施設等総合管理計画」を策定、総合的な管理・経営を推進するための方向性を示しています。
今こそ、さまざまな視点から、継続、見直し(複合化、集約化、転用、減築)、廃止など施設の将来方針を検討し、必要に応じて「地域で使う、民間で使う、老朽化等で使えないものは廃止する」など、具体的なアクションを起こさなければなりません。
今回のツアーは、施設ごとの将来方針を検討していくために、不動産関係などの民間事業者、金融機関、大学関係者などに施設を公開し、現状や課題をふまえて活用の可能性を調査するため実施しました。

■老朽化する施設の修繕、改修、建替にかかるコストシミュレーション結果
全ての施設を維持しようとすると毎年、20億~30億円程度必要。


■参加した方たちは
◎コーディネーター地域科学研究所Aさん
今回のツアーは、なかなか手に入らない公共の物件の情報を公開し、民間に伝えたいと思い企画しました。感触は良かったと思います。物件周辺の地域資源などの情報も現地で体感してもらうことができたと思います。
今回の物件の中では神原キャンプ場のレトロさが気に入りました。

◎大分大学修士1年Bさん
さまざまな視点の意見があり、勉強になりました。竹田出身なので、地元の施設が老朽化していくよりは、いろいろな人が使う施設に生まれ変わってくれたら嬉しいです。
キャンプ場は、電波が通じないので、携帯を忘れられる空間としても魅力的でした。

◎大分大学理工学部准教授柴田健さん
郊外住宅地、地方コミュニティの持続の研究をしています。
一番印象に残ったのがキャンプ場で、ここにオフィスがあれば働きたいと感じました。次は「集」で、地域の住民の拠点として、特に子どもやお母さんが過ごしやすい場所にすれば良いのではないかと考えました。

◎ツアーに参加して、行政がここまでオープンにしてくれているところに魅力を感じました。利用者側の視点も聞くことができて参考になりました。印象に残ったのはドイツ村で、長湯の拠点として、広域連携の核として活用できるのでは、と感じました。
(Hさん)

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※施設の様子などを公開しています。
11月中旬にはツアー当日の様子や、より詳細な参加者の意見なども公開予定です。
【URL】https://taketa-public-realestate.com/