茅野市が2021年度以降の事業着手を目指す茅野駅西口リニューアル事業で、民間活力を使ってマンションなどの集合住宅を建設する構想が浮上した。駅周辺の人口を増やしてにぎわいを創出する新たな手段で、駅西口北側の市営青空駐車場かJRが所有するモンエイトビルに整備する案が出ている。今後、JRの協力や民間の投資が得られるかが鍵になりそうだ。15日の市議会全員協議会で明らかにした。

 全協で市は、策定中の駅西口リニューアル事業基本計画の中間報告を行い、5年後の駅前周辺整備の方向性を示した二つの模式図を公表し、ともに集合住宅の整備を位置付けた。モンエイトビルに集合住宅を整備する場合は国の立体都市計画制度を活用し、1階部分に交通広場、2階以上に施設を配置する考えだ。

 車両の動線については、駅前ビル「ベルビア」前の道路を生かす案と、道路を廃止し歩道で駅とベルビアを結び、北と南からそれぞれ独立した駅前ロータリーに入る案を提示した。駅舎前には各種イベントに対応する「滞留・賑わい空間」を整備。ベルビアの建て替えも見据えた20〜30年後の将来像にも言及した。

 同事業をめぐっては当初、モンエイトビルとベルビアは検討の対象外としたが、昨年5月に就任した今井敦市長の意向や、同年7月に設置した基本計画策定有識者委員会の議論を踏まえ、モンエイトビルを含めた計画を策定しなければ「大きな改革ができないという結論に至った」(都市計画課)という。

 基本計画は2月と3月以降の有識者委員会を経て策定し、4月以降に発表する。市はすでにJRとの協議を進めていて、基本計画にはJRの意向を反映する考え。ベルビアやタクシー、レンタカー、別荘利用者、マンションデベロッパーなどの聞き取りも行い、実現の可能性を模索する。

 全協で、今井市長は「基本計画の策定に向けては全体像の構築と民間活力の活用をお願いした。今は確定していない中間報告。マンションも駅前を活性化させる方法の一つだ。やりたいという会社もない。考え方の一つとして捉え、意見を出していただければ」と理解を求めた。

 同事業の対象は茅野駅西側の約1ヘクタール。特急あずさ利用者割引(パーク&ライド)を兼ねた市営青空駐車場、送迎用駐車場とタクシー待機所、公衆トイレ、バス乗り場などがあるが、施設の老朽化や動線の分かりにくさが課題になっている。有識者委員会では、特急あずさの全便停車や、八ケ岳登山や別荘地、リゾートテレワークの拠点となる茅野駅の魅力を踏まえ、「中央線沿線で一番を目指す駅にしたい」「発展の可能性を感じられる場所にしたい」といった意見が出ているという。