辰野町の地域おこし協力隊と食の革命プロジェクト運営協議会が、地場産の商品を再構築する「リブランディングプロジェクト」を始めた。町内事業所と連携して、消費者を絞ったコンセプト設定やPR手段などの見直しを進め、商品のブランド力を高めていく。第1弾は、小野酒造店の地酒を若者向けに売り出す企画。20代の若手隊員らが地元素材を生かした酒造りを体験しながら、同世代に支持される新たな銘柄に生まれ変わらせようと挑んでいる。5月上旬の商品発売を目指す。

 地域内でのみ提供されたり、購買状況が鈍くなったりして埋もれている商品やサービスを、町外から移り住んだ協力隊員の目線でてこ入れしようと企画した。プロジェクトに応じた世代、性別の協力隊員が携わり、協働する有志も募集。同協議会が事業所と協力隊を仲介し、販路の提案などの支援策も担う。

 地酒のプロジェクトは、若い世代にも日本酒に親しんでもらいたい―との同酒造店の要望を受け、20代半ばの協力隊員と有志の男女5人が集まり昨年末に始動。霧訪山の伏流水と地元産の酒米・美山錦を使う純米酒「憑の華」と同じ良質な素材で、ほどよい甘口の飲みやすい酒を仕込み、若者向けの新規パッケージデザインとPR手段で発信する計画案を練った。

 11日には酒蔵で仕込み作業があり、メンバーのうち3人が職人にこつを教わって、秒単位の調整が必要な洗米と吸水、蒸した酒米をタンクへ運ぶ作業を体験。「少しの時間差や水温差が味に影響を与える。繊細な仕事を実感した」と感想を話した。12日までに、720ミリリットル入り瓶で約800本分を仕込むという。

 同酒造店の小野能正社長(62)は「昨年地元の新成人と酒造りを行ったが、20〜30代の若い人が日本酒を楽しむ機会はまだ少ない。若者らしく日本酒の素晴らしさや地域性を表現し、同世代へさらに広めてほしい」と期待する。

 プロジェクト担当で協力隊員の木建美智子さん(39)は「地域固有の商品やブランドを再構築して発信すれば、町そのもののPRにつながる。地酒を皮切りに多くの事業所と連携し、成功モデルをつくりたい」と意気込んでいる。