諏訪市の諏訪赤十字病院は大型連休に合わせ、地域住民に向けて新型コロナウイルス感染拡大を防ぐためのメッセージを発表した。同病院臨床心理課長で臨床心理士の森光玲雄さん(40)は「皆さんの行動が2週間後の未来を守る」と語り、自宅で過ごして人との接触機会を減らす重要性や、感染者と医療者に非難や差別ではなく応援の言葉を向ける大切さを再認識してほしいと訴えた。

 森光さんは国際赤十字の災害緊急支援に携わる専門家で、国内外の被災地や紛争地で心のケアに取り組む。日本赤十字社のホームページで公開されているパンフレット「新型コロナウイルス3つの顔を知ろう!〜負のスパイラルを断ち切るために」を監修し、感染拡大に伴う不安や差別に警鐘を鳴らしている。

 感染者数といった「物理的な負荷」と、医療者が差別を受ける「精神的な負荷」から医療崩壊が進むとして、「救える命を救えなくなり、医療を継続できなくなる」と指摘。「ゴールデンウイークが感染爆発に至るか否かの分かれ道。諏訪医療圏の2週間後の未来を皆さんの行動で守ってほしい」と呼び掛けた。

 具体的には「テレビの前で寝転んでいるだけで人の命が救える」と述べ、テレビ電話による帰省や庭先でのバーベキュー、新しい料理レシピへのチャレンジを選択することが「自分と家族の命を守り、地域への貢献になる」とした。大型連休中は「賢者になって、他者との接触機会を減らして」と力を込めた。

 パンフレットによると、新型コロナウイルス感染症には「3つの顔」があり、病気が不安を呼び、不安が差別を生み、差別がさらなる病気の拡散につながる。森光さんは、全国で医療者や感染者への差別や攻撃が止まらない状況を懸念し、「目に見えず予防法もないウイルスに感染することは自然の摂理。非難や差別ではなく、『大丈夫?』『大変だったね』『手伝えることはない?』と応援のメッセージを向けて」と訴えた。

 「地域住民と地域の医療機関は一蓮托生のパートナー。程よいバランスを互いに保ち続けなければいけない」とも語り、新型コロナウイルスと闘うために、地域の医療機関がメッセージを発信していく大切さを強調した。

 同病院は感染対策を徹底して通常診療を行っている。基礎疾患のある人は我慢せず受診するよう呼び掛けている。ただし、風邪の症状や37・5度以上の発熱が続いている人は医療機関を直接受診せず、県諏訪保健所の相談窓口(電話0266・57・2930)への連絡を求めている。