新型コロナウイルスの感染拡大を受けて外出自粛が求められる中、インターネット上の「オンライン飲み会」が広がっている。テレビ会議システムを使って、同僚や友人同士がそれぞれの自宅に居ながら一緒に乾杯。離れていても人と人とのつながりを感じる新たな交流の場として、盛り上がりを見せている。

 「かんぱーい」。4月下旬、上伊那地方で子育てをする30代の女性4人は、自宅でテレビ会議用のアプリ「Zoom(ズーム)」を起動し、声を合わせた。「ママ飲み」と銘打って初めて企画。パソコンやタブレット端末の前につまみを並べ、画面越しにワイングラスや缶ビールを掲げた。

 長引く休校や自宅での過ごし方が話題となり、「給食がなくて3食作るのが大変」「うちは子どもの兄弟げんかが増えたよ」などと久しぶりに会話を弾ませた。

 4人はこれまでランチに集まっていたメンバー。伊那市ますみケ丘の澤西光子さん(39)が、自粛疲れでたまったストレスを発散したい―と今回提案した。インターネット交流サイト(SNS)を介して好意的な反応があり、すぐに実現したという。

 参加したメンバーからは「すごくしゃべりたかったから、気持ちがすっきりした」「家族以外の大人との時間を持てて楽しかった」との声が聞かれた。感染リスクを気にせずに人とつながり、話題や悩み、時間を共有した喜びは大きく、次の計画も持ち上がった。

 澤西さんによると、オンライン飲み会は子どもを預ける心配がなく、夜でも気軽にできるのが魅力。店より費用が安く、飲んだ後すぐに寝られるのもいいという。通常の飲み会と異なるのは、会話での間の取り方。一斉に話ができないため、譲り合いが必要になる。

 澤西さんは「このメンバーで飲み屋にも行ってみたくなった」と本音を漏らす。感染症の終息後には「飲食店に集まり、家を空けられないメンバーの自宅と店をオンラインでつなぐのもいいかもしれない」と笑顔を浮かべた。