駒ケ根市出身で、ソフトウェア開発会社「Live2D」(東京)社長の中城哲也さん(45)が、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う営業の自粛や時間短縮を余儀なくされた店舗の支援に乗り出した。同社の社名を店内や店先に表示してもらう代わりに、広告宣伝費として資金を支払う取り組みだ。9日までに古里の2店舗と契約を決めた。

 支援を始めるきっかけとなったのは4月下旬。中城さんのSNS(会員制交流サイト)への投稿だった。スペインの強豪サッカーチームが新型コロナ対策支援の資金を集めようと、本拠地スタジアムの命名権を売却したことに触れ、「居酒屋とかも期間限定で命名権売るのもありかな」とコメント。「案に乗ってみたいお店あればご連絡を」と記した。

 投稿を見た知人から話を聞いた駒ケ根市中央の居酒屋「さいとう」店主の斎藤晃さん(44)と、近くのライブハウス「ニルヴァーシュ」代表の下平誠さん(42)が手を挙げ、中城さんと協議して契約を締結。年内は、それぞれの店舗が看板やメニュー表などに「with Live2D」などの表示を入れる運びとなった。

 両店舗とも昨年に比べて今春の売り上げが大きく落ち込んだため、金銭的な支援は渡りに船だ。斎藤さんも下平さんも「ありがたい」などと謝意を示す。

 中城さんによると、「Live2D」は2006年の創業から数年間、業績が低迷していた。今日まで存続させることができたのは、友人ら多くの人からの支えがあったからだという。今回の支援は恩送りの意味合いが強い。

 「コロナ禍の中で少しでもできることをやりたいと考えていた」と中城さん。「このような取り組みをほかの会社も取り入れることで、民間同士の協力が増えていけばうれしい」と語った。