新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、上伊那地方で6月末までに受け入れる予定だった外国人技能実習生のうち、少なくとも20人が来日できていないことが、長野日報社の調査で分かった。感染者の流入を防ぐため、政府が100以上の国・地域の外国人を入国拒否対象に指定していることが背景にある。実習生が7月以降に入国する見通しも立っておらず、関係者は頭を悩ませている。

 外国人技能実習機構(OTIT、本部・東京)のまとめ(6月26日現在)によると、実習生を受け入れて実習先の企業などにあっせんする監理団体は上伊那地方に七つある。長野日報社はそれぞれの団体に取材し、5日までに6団体から回答を得た。

 6月末までに受け入れる予定だったものの入国制限措置の影響で「日本へ渡航できていない実習生がいる」としたのは4団体。計20人に上った。国籍別ではベトナムが12人と6割に上り、フィリピンが5人で続く。ほかにも、ミャンマーやインドネシア、中国が1人ずついた。

 実習生は、電子機器の組み立てや縫製、農業といった分野を手掛ける実習先の企業などで技術の習得に取り組みながら働くことになっていた。コロナ禍で国内経済は落ち込んだが、入国制限措置があるまま今後回復に向かった場合、人手不足を懸念する声が上がっている。

 また、実習生が来日して働き始めないと、監理団体は企業から支払われる監理費などを受け取れず、運営状況の悪化につながる。入国制限措置が長期にわたって続くのは避けたいのが本音だ。

 しかし、新型コロナの地球規模のまん延は収束の兆しが見えない。米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、日本時間5日午後時点で世界全体の感染者数は1128万人以上、死者数は53万人を超えた。ある監理団体の担当者は「『入国制限を緩和してほしい』と言いづらい」と語る。

 当局も対応に追われている。実習生は入国時に必要とする「在留資格認定証明書」を来日前に取得するが、有効期間は交付日から3カ月。現状では入国できずに失効するケースが続発しかねない。そのため、出入国在留管理庁は特例として、2019年10月1日から21年1月29日までに作成した同証明書の有効期間を▽入国制限措置が解除された日から6カ月後▽21年4月30日−のいずれかのうち早い日までとすることを決めた。ただ、同庁は実習生が実際に入国できるようになる時期について「見通しが分からない」としている。

 政府は2月1日から、▽入国申請日前の14日間以内に中国湖北(省)に滞在歴のある外国人▽同省発行の中国旅券所持者−の入国を原則として禁じた。その後対象を広げ、現在、129の国・地域に過去2週間以内に滞在した外国人らの入国を特段の事情がない限り拒否している。