伊那市は、市内6中学校の合唱部、吹奏楽部の歌と演奏を収録し、市の広報番組「いーなチャンネル」で放送する。新型コロナウイルスの影響で「NHK全国学校音楽コンクール」「全日本吹奏楽コンクール」が中止となり、発表の場を失った生徒の気持ちを酌み、練習成果を披露する機会を設けようと企画した。1曲ずつ自由に選び、生徒の熱い思いとともに披露する計画。18日から順次放送する。

 市によると、3年生が最大の目標を失い、公園でコンサートを開催したという話を聞いたことがきっかけ。より多くの人に見てもらえる手段として行政番組を選んだ。

 曲は、これまで練習を重ねてきたコンクールの課題曲や好きな曲など自由に選べる。3年生は今後の意気込みや、周囲への感謝などをメッセージカードに書き込み、1人ずつ掲げて収録する。

 9日は、西箕輪中で吹奏楽部の収録が行われた。2、3年生の部員25人が、2月から練習に励んできた全日本吹奏楽コンクールの課題曲「トイズパレード」を演奏。息を合わせながら、心を込めて軽快なリズムを響かせた。メッセージの披露では、3年生がカメラに向かって「引退まで全力で頑張ります」「演奏を楽しむ」などと思いを伝えた。

 同部は昨年に同コンクールの県大会に出場している。小阪遥夏部長(14)は5月に開催中止を聞き、「今年も出場したいとの思いが強かったので、喪失感でいっぱいになった」とぽつり。今回の企画については「気持ちを切り替え、みんなでいいものにしようとの気持ちにあふれている。他校の音楽とつながるのも楽しみ」と思いを語った。

 同部のほか、伊那、春富、伊那東部の3校からそれぞれ吹奏楽部と合唱部、高遠の吹奏楽部、長谷の合唱部が出演する。

 放送時間は各部につき6分ほど。1週間ずつ順次放映する。このほか市の公式ホームページでも動画を配信する。小学校の音楽系クラブについても順次紹介する予定。