県は9日、新型コロナウイルス感染症対策を続けながら社会経済活動を再開していく県の「ロードマップ」(行程表)で新しい段階に入る10日からの対応を対策本部会議で決定した。第2波、第3波に備えた医療提供体制は、これまでの患者発生状況を踏まえた推計を基にピーク時で600人規模の感染者を想定し、今月末をめどに受け入れ体制を整備する。1日1000件以上のPCRなどの検査が可能な体制も目指す。

 県では現在、病院で300人、宿泊施設で200人の計500人の患者の受け入れ体制を整備している。今回の患者推計は、厚生労働省が示した推計モデルでこれまでの国内の感染者の動向や外出自粛の効果などを基に行った。

 試算では、ピーク時に入院が必要な感染者328人(うち重症者48人)、宿泊施設で対応可能な感染者157人とした。大規模クラスター発生も想定して人数を上乗せし、600人として方針に盛り込んだ。

 検査件数についてもピーク時は1000件超の需要があると試算。現在は1日309検体に対応しているが、今後は外来・検査センターのほか医療機関や県内外の民間検査機関で対応可能と見込んで体制整備を進める。

 観光振興については全国から誘客を図る段階に入る。感染が比較的落ち着いている地域を中心にPR活動を始め、県外客向けの宿泊割引などを行う。県民の県外との往来については直近1週間の新規感染者数を基に、感染が拡大している地域と往来する際は慎重に行動するよう呼び掛けていく。

 阿部守一知事は同日の会見で自動車に例えて、「観光振興策はアクセル、往来の自粛はブレーキ。現時点ではブレーキを踏むところまではいかない。アクセルは徐々に踏んでいくが全開まではいかないのが今の状況」と述べた。

 県主催のイベント・行事は必要なものは実施していく考え。国の基準に準拠し、参加者を5000人以下に抑え、人と人との間隔を十分に空けることや、参加者のスマートフォンに感染者との濃厚接触の可能性を通知する接触確認アプリのインストールを求めることなどの対応を取る。民間のイベントについては県の基準を参考に示し、全国的な人の移動を伴う大規模なものを予定している場合は県に事前の相談を呼び掛ける。