長崎県東彼川棚町発注の排水路整備工事を巡り、同町建設課が、工事完成後に必要な検査を期限通りに実施したように見せるため、検査日を約半年間偽った文書を作成していたことが13日、分かった。工事担当職員の上司や役場幹部も偽造を容認していた。
 町などによると、工事は昨年3月に着工し、6月に完成。公共工事の契約に関する県の規定「県建設工事標準請負契約書」では、発注通りに工事が完成したのか確認するため14日以内に検査をするよう定めているが、川棚町発注の排水路整備工事では、担当職員が期限内に実施していなかった。
 町によると、検査には業者が提出する完成通知書が必要だが、通知書の所在が不明で検査できなかったという。担当職員は今年1月中旬から休職中。町は「担当職員が意図時に書類を隠したのか、検査の実施そのものを忘れていたのかは分からない」としている。
 工事を担当した業者は、検査後に交付される完成確認書がなければ代金請求ができないため、再三にわたり検査の実施を要求。町は今年1月になって検査を実施した。役場幹部も把握した上で、確認書の検査実施日欄には実際の検査日から約半年間さかのぼった昨年7月の日付を記載。文書は上司の指示を受け、担当職員とは別の職員が作成した。
 馬場直英副町長は取材に「14日以内ルールを優先した。意図的と言われればそうだろうし、黙認していた。不適切と言われても仕方がない」と不正を認めた。
 町の監査委員が今年1月、工事関連の書類を巡り「不適切」と指摘。山口文夫町長は「文書改ざんに当たる」と判断、事実通りに訂正するよう指示した。町長は指摘を受けるまで文書偽造を知らなかったという。「非常に遺憾。職員の処分の必要性は感じているが、状況をみて判断する」と話した。